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「高い」が「最高にイケてる」! SUVブームで「3ピースホイール」復権の波がジワジワきてる?

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TEXT: Auto Messe Web編集部 杉本 大輔  PHOTO: ジムニースタイル編集部、スーパースター、Sスタイル

3ピースホイールは文句なくカッコいい、じゃあブーム再来の現代ではどうなる?

 2020年に開催されたカスタマイズカーの祭典「大阪オートメッセ」では、全出展車両(約600台)のうち約40台(編集部調べ)がジムニー(もしくはジムニーシエラ)というほどの人気ぶり。それら出展車両を見て感じたのが、3ピース組み付けホイールの装着率の高さ。さらに1年前の同イベントでも、やはりジムニーの出展台数は多かったのだが、その時はほぼ1ピースホイール履きだった。この変貌ぶりは大変興味深い。

 ただ最近のジムニーカスタム事情だけで考えると、3ピースのホイールを履くというのは、だいぶ尖ったカスタマイズという印象。というのも、ここ最近ジムニー用としてリリースされている多くが1ピースだからだ。少々乱暴に表現するとしたら「最高にカッコいい、けど高い」3ピースホイール、それをジムニーで履く人っている? と思ってしまう。が、いわゆる第1次四駆ブームを経験した各ショップの社長からすると「3ピースホイールこそ本来の四駆スタイル」だという。

「確かに最近は1ピースのホイールが多いが、当時のホイールはほとんど3ピースだったんです。というか、1ピースはエンケイなど一部メーカーのみでほとんどなかった。当時履いている人が多かったスーパースターの“ロデオドライブ”やフロントラインの“マザー”、ワークの“クラッグ”、超老舗の“ラグナ”も3ピース。実はワークから当時の四駆ブームを彷彿とさせるモデルが出たので、皆さんそれを履いたんです。ちなみにウチ(のデモカー)も履いてます」とは、広島市内でカスタマイズショップを営む「エススタイル」の菅原さん。

当時と比べると飛躍的な技術革新により「1ピース」「3ピース」の差別化が曖昧に

 ところでなぜ昔は3ピース履きが多かったのか。「これは想像ですが、恐らく当時は鋳造の技術が今ほどは高くなかったと思います。いっぽうの3ピースはアウターリムとインナーリムを流用できるから、乱暴な言い方ですが、ディスクを削り出すだけで色々なモデルが作りやすかった。でもバブルが崩壊し、しばらくすると四駆ブームもすっかり息をひそめ、その後長い停滞期が続いたんです。その間に鋳造技術はどんどん上がり、海外で作っても品質が担保できるようになった事で、安い1ピースホイールが幅を効かせ、今に至っているのではないでしょうか」。

 とはいえ、改めて3ピースホイールが(ジムニーサイズであっても)出てきたのは「当時仕様」復権の序章か、と期待したくなるところ。

 が、「当時のような流れになるかは現状だと何とも言えない、というか正直微妙」とは前出の菅原さん。「というのが、先ほどもお伝えしたように最近の1ピースホイールはモノがいい。デザインもよければ品質もいいから、その上で3ピースをあえて選ぶというのは、相当なこだわり屋さんが違いを出すための一手になりつつあるかも知れません。実際履いて頂くと分かると思いますが、3ピースホイールって本当にカッコいいんですよ」。

より現実的な「ホイール屋」の「見立て」とは

 ではこの動きをメーカーはどう見ているのか。上記で紹介したように、四駆ブーム当時大ヒットした「ロディオドライブ」をリリースするスーパースターに話を聞いてみた。

「“丘サーファー”が登場して、パジェロやビッグホーン、サーフにテラノが隆盛を極めた第一次四駆ブーム当時、確かに多くのご注文を頂いていました。この他にクリア系の赤や青に塗られたディスクモデルも人気でしたね」。

 そんなスーパースターが2020年「ロディオドライブ」のリバイバルモデルを発表。お、遂に3P時代復活か? と思いきや、蓋を開けてみると1ピースモデルばかり。あれ、3ピースで出さないんですか?

「もちろん計画はゼロじゃないですよ。ただ今のご時世、ホイールにも価格帯の2極化の波が押し寄せていまして、特にインチ数によってそのオーダー傾向はだいぶ変わるんです。あくまでもざっくり目安ですが、それは20インチオーバーか否か。前者を履くようなランドクルーザーやベンツGLS、ゲレンデは未だに3ピースのオーダーを頂く事が多いですが、それ以下になると1ピースがほとんどです」。

「中にはジムニーに3ピースの18インチ(本来は16インチ)という注文も承りますが、これは非常に希な、恐らく昔の四駆を知ってる方かカスタム上級オーナー。多くの方は1ピースにあるサイズを指名され、これはミドルクラスの四駆でも同様。それにいまの1ピースは結構攻めたデザインの意匠も作れる。そうなると3ピースでホイールを作る意義というか……何となく見えずらかったりもします」。

 …なるほど。では3ピース履きの火が消えてしまうのか、というとそうでもないとはお二人共通のコメント。

「ジムニーのカスタムは、現行の64系に入ってある意味リセットされたような状態。旧来の方もいますけど、新規の人も多い。その中には「人との違いを出したい」と思っている人もゼロじゃないと思います。もちろん旧来の四駆乗りの方やジムニーで四駆の世界に戻ってきた方は、3ピースがでたら見過ごさないと思う。なのでもう少しクルマが手に入りやすくなり、色々なジャンルの人に車が行き渡ると状況も変わる気がします」(菅原さん)。

「コンパクトカーからその上の300〜400万円で買えるクラスの方に3Pホイールの魅力が浸透するとまた状況が変わると思います。そうるよう今からしっかりとアンテナを張り、早めに出せるよう頑張ります(スーパースター)」。

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