クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CUSTOM
  • 伝説のイオタSVRがなぜかガルウイング! 「軽自動車」を「ランボルギーニ化」した衝撃オーナーを発見
CUSTOM
share:

伝説のイオタSVRがなぜかガルウイング! 「軽自動車」を「ランボルギーニ化」した衝撃オーナーを発見

投稿日:

TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典、金澤さん(オーナー)、スズキ、ランボルギーニ

カーマニアを唸らせるディテールをDIYで再現

 金澤さんは現在59歳で、40歳になるまで「いつの日にかランボルギーニ・ミウラかイオタSVRを買おう」と本気で思っていたのだという。小学生のときに好きだった1歳上の女の子の名前が“ミウラ”さんだったこともあり、ランボルギーニのミウラやイオタSVRは、金澤さんにとってヒーローであり、ヒロインなのだ。スーパーカーブーマーなら誰しも憧れたランボルギーニ・イオタSVR

 その後、やっぱり本物は買えないな……と思った(気づいた)ことで、ゲットできないなら自分で造ろう(!)と一念発起。40代の前半からステージ1と呼んでいる初期モデルを造り始め、リアを延長して、チルトするフロントカウルを持つステージ2を50歳のときに完成させた。改良を行った2型は、フロントのカウルはチルト式に変更された

 ステージ1の製作は鈑金屋にオーダーし、ステージ2は自宅のガレージで自作。金澤さんはペンキ屋さんなので、ステージ2は自分で外装を塗ったらしい。塗装前の下地処理は刷毛で行われたスズキ・キャラ改イオタSVR

 ステージ1の製作を依頼した鈑金屋はホンダ・ビートなどにも強いショップで、鈑金屋兼整備工場だったのだという。まず、友人がパソコンで製作してくれたイオタSVR風キャラの写真を見せたら「面白そうだね」と言ってくれたのでオーダーしたものの、8~9割ほど完成したところで作業がストップ。預けてから一年ほど経過していたこともあり、その状態で塗装してもらって引き上げてきたそうだ。キャラの全長を伸ばした最初のイオタSVR仕様

 リアカウルまでチルトする現在のステージ3は52歳のときに入眼したとのことで、自作したカウルの製作期間はフロントが2年、リアが2年半ほどかかったそうだ。「ステージ2とステージ3のカウルは、全部自宅でコツコツ造ったんですよ。まず、発泡ウレタンを削って型を造って、FPRで形を決めて、表面を削っていったわけです。とにかく大変でしたね」。フロントのみならずリアまでチルト式カウルを採用した現在のカタチとなる前の状態

 こうして妥協することなく作り上げていったものだけに、プロポーションがよく、SSRのメッシュホイールを装着しているなど、カーマニアを唸らせるディテールを満載している夢のクルマが完成した。まじまじと見ると、車体のセンター部分にベース車のキャラであったことを窺い知れる名残がある点がまた面白い。実車と同じようにBBSのゴールドメッシュホイールを装着した

 エンジンは700ccにボアアップされているが、もちろん、12気筒エンジンを積んでいるわけではないのでファンネルはダミーとなっている。

 紆余曲折の末に完成したこともあり、ステージ3が出来あがったときの思いは「オレ、よくやったなぁー」というものだったそうだ。そしてなにより、イオタSVRを見てくれた人の感想で一番多いのが「これ、素人が作ったの?」というもので、「そうです、素人の私が」と伝えれば、金澤さん的に最も嬉しいリアクションは「うっそぉ~、DIYなんだね」だとか。スズキ・キャラ改イオタSVR仕様はぱっと見は本物と見間違うようなプロポーション

 それでもまだ、手を加えたいところがあるそうだが、それをやり始めると乗れなくなるので、やらないそう。イオタSVRの製作で燃え尽きたこともあり、他車を造る気力は残っていないとのことだった。これからも金澤さんとイオタSVRのレプリカは、自作したガレージを秘密基地としながら、世のクルマ好きを歓ばせていくことだろう。

12
すべて表示
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS