いまや少数派! 瞬間加速が魅力の「スーパーチャージャー」を搭載した国産車たち (1/2ページ)

いまや少数派! 瞬間加速が魅力の「スーパーチャージャー」を搭載した国産車たち

エンジン出力を高める圧縮空気の酸素供給 

 ガソリン車やディーゼル車など、レシプロ(内燃機関)エンジンのパワーなどを高めることで知られる過給機としては、ターボチャージャーが有名だが、もうひとつスーパーチャージャーという機構もある。

 現在は搭載されるクルマは激減してしまったが、それでもターボチャージャーにはないメリットもあり、最近ではマツダのCX-3やCX-30に搭載されているSKYACTIV-Xに採用されている。マツダSKYACTIV-X

 そんなスーパーチャージャーとは、実際どんなものでどんなメリットがあるのか、搭載した過去の名車たちを紹介しながら解説していこう。

発進時から燃焼効率がダイレクトにアップ

 まずは仕組みを簡単に説明しよう。スーパーチャージャーは、エンジンのシリンダー内に圧縮した空気を送り込むことで、燃料を燃えやすくし、より多くのパワーやトルクを引き出す。いわゆる「過給機」と呼ばれるもので、その意味ではターボチャージャーと同じだ。スーパーチャージャー

 違う点は、ターボチャージャーは排出ガスのエネルギーによりタービン(羽根)を回し、その動力でコンプレッサー(圧縮機)を動かし空気を圧縮する。対するスーパーチャージャーは、エンジンのクランクシャフトと連結されたコンプレッサーにより空気を圧縮し、加給する方式が一般的だ(機械式スーパーチャージャーという)。

 ターボチャージャーは、パワーロスがないのがメリットだが、一方で、低回転からアクセルを踏むと、ターボの効果が現れるまでに一定の時間が掛かる、いわゆる「ターボラグ」というものがある。

 対するスーパーチャージャーには、パワーロスこそあるが、クランクシャフトと連結し常に回転しているため、加給がエンジン始動時と同時にできるという特徴がある。エンジンがあまり得意としない低回転域で、大きなトルクを発生することができるのがメリットだ。

レースや映画で活躍したスーパーチャージャー

 スーパーチャージャーは、元々は第2次世界大戦以前に戦闘機などで使われていたが、クルマでもかつてレーシングマシンや量産車で数多く採用された。

 例えば、1960年代や1970年代にアメリカで一世を風靡したいわゆる「マッスルカー」。これらをベースに作られたドラッグレース用マシンには、ボンネットから突き出た大型のスーパーチャージャーが搭載されていた。ドラッグレース

 直線コースで停止状態から発進し、ゴールまでの時間を競うドラッグレースでは、スタートダッシュが極めて重要で、低回転からトルクが出るスーパーチャージャーの特性がマッチしていたのだろう。また、当時のアメ車は、大排気量のV8エンジンを搭載するモデルが多かったが、Vバンク間にスーパーチャージャーを配置することで、作業性がいいなどの利点もあった。

 なお、こういったボンネットからスーパーチャージャーが突き出たスタイルのアメ車は、ハリウッドのカーアクション映画「ワイルドスピード」第一作(2001年公開)で、主人公ドミニクがラストシーンに乗る1969年式ダッジ・チャージャーが有名だ。ワイルドスピード版ダッジ・チャージャー

 また、1979年に公開されたオーストラリアのバイオレンス映画「マッドマックス」でも、主人公のマックスが乗るブラック・インターセプター(ベース車はフォード・ファルコンXB GT)にも、巨大なスーパーチャージャーが搭載されていた。これらマシンは、当時のクルマと映画が大好きな男子たちの憬れだった。映画は、いずれもDVDや配信サービスなどで今でも観ることができるので、観たことがない人で興味があれば、ぜひ一度ご覧になることをお薦めする。

 ほかにも、スーパーチャージャーを搭載したマシンがレースで活躍し有名になった例には、WRC(世界ラリー選手権)で1985年シーズン末から投入されたランチア・デルタS4がある。ランチャ・デルタS4

 ミッドシップ・4WDを採用したこのマシンには、スーパーチャージャーとターボチャージャーという2タイプの過給機を搭載。低回転域でスーパーチャージャー、高回転域ではターボチャージャーを使い過給することで、全域のパワーやトルクの向上を図ったのだ。

 そのポテンシャルの高さは当時かなり注目されたが、不幸な死亡事故などがあったこともあり、1985年の最終戦と1896年シーズンで、通算成績は13戦中6勝に留まっている。

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