クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • SPORT
  • 速く走るためには「レッドゾーン」を使うべき? エンジン性能をトコトン引き出す方法と注意点
SPORT
share:

速く走るためには「レッドゾーン」を使うべき? エンジン性能をトコトン引き出す方法と注意点

投稿日:

TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

レッドゾーン到達=即エンジン故障ではないなら何のための印なの?

 タコメーター付きのクルマに乗っているとふと思うのが「赤いライン(レッドゾーン)までエンジン回しちゃいけないの?」ということ。そもそもこのレッドゾーンは何の為にあるものなのか? 本当エンジンは壊れてしまうのか? 青春時代、サーキットに身を寄せていた自動車ライターに聞いてみた。

 エンジンが持つ性能を出し切る運転をする場合には、レッドゾーンのはじまる回転数まで回し切ってから変速するのがよい。とくにサーキットでラップタイムを上げるときには、それを愚直に守って運転することが肝心だ。

 それによって、コーナーからの立ち上がり速度がどれほど高く維持できるかが左右され、次の直線での加速に勢いをつけ、その次のコーナーへのブレーキングで減速しはじめる(ブレーキペダルを踏みはじめる)位置で成果を確認できる。最高速度が高まれば、ブレーキ開始位置は当然やや手前になる。

 いっぽうエンジン性能曲線を見ると、トルクがまず先に立ち上がり、それから回転が上がるにつれて出力が上がり、トルクが落ちはじめても出力はなお高くなって行き、やがて落ちはじめる。最高出力の出る回転の先に、レッドゾーンのはじまる(回転限界)あたりとなる。

 そこからすると、エンジンの回転力(トルク)はすでに落ちているのに、最高出力の回転まで回す意味があるのかと思うかもしれない。だが、クルマの速度は仕事の成果であって、出せる力と、それをどれだけ使ったか(一定時間内にどれだけ繰り返し使えたか)によって決まる。多少エンジンの力が落ちたとしても、それを短時間に何回も繰り返して出せれば、速度は上げられるということだ。

 したがって速度を上げたければ、またサーキットでラップタイムを縮めたければ、最高出力の出る回転数まで、アクセル全開で回し切ることがカギを握る。

 そのうえで、変速する(シフトアップしていく)ことになる。すると、ギア比の関係でエンジン回転数が数千回転さがるだろう。ここで最大トルクがものを言う。シフトアップしたあとの回転が、最大トルクのでる回転に合うように変速機のギア比は考えられている。

 そしてシフトアップしたときに最大トルクの回転数から再び加速できれば、力強い速力を得られる。ことにモータースポーツ用のエンジンと変速機のギア比は、変速したときにうまく最大トルクを得られる関係で組み合わされている。市販のスポーツカーやGTカーも、ほぼ同様の考えで設定されているはずだ。

 いっぽう一般の乗用車では、加速のよさだけで設計されているわけではなく、またアクセルペダルも常に全開で運転されるわけではなく、ほとんどが半分も踏み込むかどうか、日常的には1/4ほどしか踏まれずに走っていることを考えて、変速機のギア比は設定されている。また高いギアでは、加速より燃費をよくするエンジン回転数を保てるように設定される。

 したがって乗用車の場合は、必ずしもレッドゾーンまで回す必要があるかどうかは定かでない。時速100kmの制限内で走る分には、最大トルクの回転数あたりまでで十分な速度が得られるのではないか。 最後に、では、レッドゾーンまで回しても壊れないのか。手前のイエローゾーンまでで止めておくのが無難ではないかという点については、レッドゾーンまで回しても壊れることはない。しかし、アクセル全開での加速に慣れないうちは、エンジン回転計を見ながら道路の様子も確認することがうまくできない場合もある。そういう心配があるときは、イエローゾーンを一つの目安に変速していくと安心だ。

 また、シフトアップよりシフトダウンのほうが注意を要する。加速していく際、わずかに短時間レッドゾーンを超える程度であればエンジンは壊れない。しかし、減速でのシフトダウンで瞬時にレッドゾーンを超えてしまうような操作が行われると、エンジンが壊れる恐れがある。レッドゾーン超えは、シフトアップよりシフトダウンで気を付けることが肝心だ。

すべて表示

 

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS