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脳天までシビれる「サウンド」で世界中を魅了! ホンダの「伝家の宝刀」VTECの歴史

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: Honda、Auto Messe Web編集部

バイクやマリンにまで拡大し、ホンダの基幹エンジンに成長!

 VTECはクルマだけの技術ではなく、バイク、船外機(マリン)用エンジンにも採用されている。しかも、VTECの原点はバイク用エンジンで、1983年にCBR400Fに採用された回転数応答型バルブ休止機構であるREVがそれだ。

 ロッカーアームに油圧回路を組み込み可変バルブ制御であること、高回転・高出力を達成と低回転域の扱いやすさの両立という考え方はVTECと同じだが、低回転では吸・排気の片側のバルブを閉じ、スワール効果を生み、充填効率を高めてトルクをアップ。高回転ではすべてのバルブを開けて、より性能を引き出す機構はVTEC-Eに近い。

 バイク用エンジンにVTECが投入されたのは1999年。CB400SUPER FOURに組み込まれたHYPER VTECと呼ばれるシステムは、高回転・高出力が要求されるバイクでは主流となるカムがダイレクトにバルブを押す直打式を使った唯一無二な存在。考え方はREVと同じだが、クルマ用のロッカーアームを使う可変ではなく、バルブリフター内に可変機構を収めているのが特徴。これによりコンパクトかつシンプルな構造となり、重量増を抑えられるメリットがある。

 1964年に発売を開始し、50年以上の歴史がある船外機(マリン)エンジンに、VTECが初搭載されたのは2001年。基本クルマ用エンジンをベースに改良を施すため、燃費&環境とパフォーマンスを極めていくとVTECが採用されるのは自然の流れだといえる。VTECを搭載するのは1.5Lの直4、2.4Lの直4、3.6LのV6の3タイプのエンジンで、一番高性能なBF250エンジンは250psを発揮する。

 マリン業界でもそのパフォーマンスはトップレベルなのだ。ちなみにBFとは「Boat Engine Four stroke」の略。このネーミングは当初から2ストロークエンジンではなく、一貫して4ストロークエンジンを採用し、「水上を走るもの、水を汚すべからず」という創業者・故本田宗一郎氏の思想から生まれたものだ。

 デビュー当初はハイパフォーマンスモデルに搭載する特別エンジンというイメージが強かったVTECだが、現在は、ホンダの多くのクルマに採用されるパワフル&クリーンな基幹エンジンという位置づけだ。ただ、本文中にも少し触れたが本来の可変バルブタイミング・リフト機構を採用していないVTECエンジンも登場し、最高峰であるはずの現行NSXにはVTECが採用されていない。新たな流れが見られる中、ホンダのエンジン、そしてVTECは今後どのように進化していくのか。その動向にも注目したい!

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