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GT-Rの復刻パーツに手が出せない! 値上げせざるを得ない4つの理由

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TEXT: 竹内俊介  PHOTO: GT-Rマガジン編集部/日産自動車

ニスモヘリテージパーツが高くなる4つの理由

 理由その1。そもそも復刻したパーツの売れる数が、現役時代に比べて圧倒的に少ない。クルマが現役の時代は、数万、あるいは数十万単位のオーダーで部品供給メーカーに発注が行っていたが、復刻パーツでは、せいぜい10個、20個単位のオーダーとなっている。そのため、一つ一つを作る単価が上がっている。

 理由その2。現代の効率的なモノ作りの時代、かつての部品供給メーカーも現行モデルの部品生産を優先する。そもそも作りたくないところを無理にお願いしているという現状がある。部品メーカーからすれば、10個20個の部品を作るために量産のラインと止めるわけにはいかない。仮に止めたとしても現在進行形の部品に不具合が発生する可能性が高い。となれば、試作対応となるが、この場合、当然コストは高くなる。

 理由その3。30年以上前の部品は、現代では設備や機材がなくなってしまったため、同じものがそもそも作れない。この場合、現代の技術で同じ機能のパーツをイチから作るため、新規開発に近くなりコストがかかる。

 理由その4。そもそも車両の発売時、OEMメーカーとパーツ価格の取り決めをする。その契約年数が決まっており、それ以降も作るとなると、改めて価格交渉が必要になる。GT-Rに限って言えば、その契約が切れる時期がここ数年に集中しており、当時の価格では作ってもらえなくなっている。

 さらに、内装素材などは当時と同じ素材が現在の法規準では作れないため、現在の素材で作るしかない。そもそも、当時のパーツメーカー自体がなくなってしまったので、他のメーカーに依頼するしかない。当時のメーカーは存在しているが、今は当時のような部位の部品は作っていない(例えば当時はショックアブソーバーを供給していたが、現在は製造を行なっていないなど)。純正部品を復刻させるためには大きな壁が立ち塞がっていることが多い。

 以上のような理由で、価格が上がってしまうという。

R32スカイラインGT-Rのミッション

どんなに高くてもパーツがあるだけ幸せだ!

 重要なのは、ニスモ・ヘリテージパーツについては、日産自動車とニスモのコラボなので、純正品と同等の安全基準を満たしている点だ。そのため、新規メーカー、あるいは現在の技術で同じ機能のモノを作った場合も、当時と同じ安全確認のための実験を行っている。この点、コストは相当かけていると言わざるを得ない。

 ちなみに、部品供給メーカーによっては少量の発注では作ってもらえないため、ニスモで在庫を抱えて先方が納得する量を発注している部品もあるという。

 また、販売価格があまりに高くなってしまうが、クルマを維持する上でどうしても必要な部品については、赤字を覚悟で販売している部品もあるそうだ。

 世の中には、純正部品の供給が途絶えて途方に暮れるクルマが多い。スカイラインGT-Rのように、日産自動車とニスモが純正部品を復刻してくれるクルマのオーナーはかなり恵まれているというほかない。お金さえ払えば部品は手に入るのだから。

R32スカイラインGT-RのニスモヘリテージによるアテーサE-TS修理

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