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ドリキン土屋圭市が現代版「羊の皮を被った狼」に唸る! スカイライン400RはアルピナB3を超えたか

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TEXT: CARトップ編集部  PHOTO: 大西靖

 

4WDであることを意識させないアルピナB3のハンドリング

 BMWアルピナB3に乗り換えてみると、日産の本気を感じさせた400Rすら霞んでしまうほどの出来栄えに感嘆した。ダイナミックドライビングコントロールをコンフォートにすると、扁平タイヤを履いているとは思えないほど乗り心地がよく、操舵フィールも軽やかだ。スポーツにしても印象は大きく変わらない。もちろん硬質なフィーリングにはなるが、ダンパーを締め上げたようなあからさまな硬さは感じさせない。1840kgという車重の重さをうまく利用することで、しっとりとしたフィーリングに仕上げていることが伝わってくる。駆動方式は4WDだが、ハンドリングはニュートラル指向で、4WDであることを意識させず、舵角に対して自然に曲がっていく。Mモデルのような鋭さはないものの、ドライバーガ行う一連の動作に的確な反応を示すから、爽快感を味わうことができる。

 3L直6ツインターボエンジンは、タービンやクーリングシステム、さらにエンジンマネージメントにBMWアルピナ独自のチューニングが施されたことで462ps/700N・mまで引き上げられている。スペックを見るとスポーツ性に特化したように思えるが、そこはアルピナらしくエンジン回転の質を高め、パワーの出方がじつに滑らかだ。ターボの効果がやみくもに顔を出さず、常用回転域から発生する分厚いトルクやリズミカルに変速する8速ATの恩恵もあって、必要以上にアクセルを踏みみこまなくていい。状況に応じてスポーティにも、ジェントルにもドライブできる。

 

両車ともまさに「羊の皮をかぶった狼」

 今回はこの2台を比較するというオーダーを与えられたが、同じ土俵での比較ははっきり言って難しい。なぜなら、高性能なスポーツセダンというキャラクターは共通しているが、作り込みにおけるそれぞれのスタート位置であったり、スポーツセダンとして目指す頂の高さが明らかに違うからだ。
 端的に言えば素性の違いが大きい。B3の場合、そもそもベースとなった3シリーズは、高い水準の能力を持ったBMW渾身の高級スポーツセダンである。それをBMWアルピナがさらにバージョンアップすベく作り込んだ。スカイラインも決して素性は悪くないのだが、ベース車を試乗したオレの印象だと、ベース車を作り込んでいく過程において、3シリーズほど力を入れていないように感じてしまうのだ。それが最終的な完成版の差として如実に現れている。

 そんなスカイラインを、このレベルまで引き上げた日産の努力には敬意を評するし、約560万円というプライスならバフォーマンスに大きな不満はない。その金額を支払う価値は大いにあると思う。
 同じことはB3にも言える。1229万円は庶民にとって高嶺の花だし、一見するとフツーの3シリーズとなんら変わらないクルマがこの金額と思う人もいるだろう。しかし、性能はもちろん、細部の質感などを体感すると、3シリーズとは別次元のクルマであることが実感できるし、「1200万円超えもしょうがないか」と納得させるものがある。両車とも紳士的な風貌のなかにスポーツモデルとしての獰猛さを潜めた、まさに「羊の皮をかぶった狼」であることは間違いない。
 決定的な差となっているのは、素性とか価格だけでなく、羊の皮のなかに潜む狼の性質が明らかに違うこと。その性質の違いがクルマのキャラクターを表現する要因にもなっていると感じた。

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