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HREタンドラ、ウエットコンディション下で追い上げ9位フィニッシュ【2021NASCARトラックシリーズ第9戦】

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: Hattori Racing Enterprises

アップダウンの難ロードコース しかもウエット

 アメリカでもっとも人気のある自動車レース「NASCAR(ナスカー)」の3大カテゴリーとなる「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「Camping World Truck(トラック)」のうちの、トラックシリーズで、2018年にタイトル獲得の経験を持つのが、服部茂章代表が率いるHATTORI RACING ENTERPRISES(HRE)。トラックシリーズに長年参戦をつづけているナスカー界唯一の日本人オーナー・チームは今シーズンも若手ドライバー、オースティン・ヒル選手を起用しゼッケン16を付けたトヨタ・タンドラで挑戦を続けている。

HREチームのオースティン・ヒル選手 5月22日に開催されたのがシリーズ第9戦となる「Toyota Tundra 225」。その舞台は初開催となるロードコース「Circuit of The Americas(Cota)」。F1アメリカグランプリに向けて設計された難コースで、大高低差41mとアップダウンに富んだコースとなっている。HREの16号車は今回もUNITEDレンタルのカラーリングを施した「#16 United Rentals TOYOTA TUNDRA」を持ち込んだ。今回のレースはしっかりと練習走行、そして予選を走ることができる通常のレースフォーマットで進行した。
#16 United Rentals TOYOTA TUNDRA 21日の午後から行われたフリー走行では、ピットインを繰り返しながら初めて開催されるロードコースにセッティングを合わせ込むことに集中する。ベストタイムは2分20秒112という12番手のタイム。そして決勝日朝の予選セッションは、1回目での上位12台が予選2回目に進めるという2ラウンド方式で行われることに。セッションは大粒の雨が落ちる中開始された。この中で徐々にペースを上げていくヒル選手は5周目に出した2分42秒837で10番手となる。8分間で行われる予選2回戦に進出し、最終ラップにベストタイムを叩き出して9番グリッドを獲得した。

 

リヤからの追突を受けスピン 最後尾からの挽回へ

 直前までの雨はスタート時に一旦止んでいたが、完全なウェット路面でのスタートとなった。前走車の巻き上げる水煙に前方の視界が妨げられながらも、5列目イン側からスタートを切った16号車は、急勾配のストレートエンドから1コーナーをクリア、ここから下り勾配のセクションに向かって行く。ポジションをキープしたままヘアピン形状の11コーナーへの進入のブレーキングで、後続車がフロントタイヤをロックさせイン側から16号車の左リヤフェンダーに追突。スピンしたヒル選手は最後尾の33番手まで一旦は順位を落としてしまうがイエローフラッグは出されずレースは続行されていく。

 ヒル選手はダメージを負ったマシンでここから追い上げを開始。なんと8周目には17番手に順位を戻し、さらにひとつポジションを上げ12周目の第1ステージは11番手で終了。

#16 United Rentals TOYOTA TUNDRA このステージブレイクでは給油および4本のタイヤ交換でコースへ復帰。15番手で第2ステージをスタートした。スタート直前に再び雨が落ち始め、コース内各所の雨量にばらつきがあるという難しい状況だったが、ヒル選手はハイペースを維持し、21周目にはトップ10圏内となる9番手まで順位を上げてゆく。

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