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ディーラーで重整備を断られる?「スカイラインGT-R」とオーナーが直面する「安心して乗り続けられないシビアな現状」とは

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TEXT: GT-Rマガジン編集部  PHOTO: GT-Rマガジン編集部

絶大人気を誇る「第2世代」GT-Rの「リアル」を調査

 1989年、「グループAで勝つために生まれてきた」R32スカイラインGT-Rは、令和に入った今でもファンが多い。R32に続くR33、R34を含めたモデルは「第2世代GT-R」と呼ばれ親しまれている。これはハコスカとケンメリGT-Rを第1世代、日産R35GT-Rを第3世代と区別しているため。R32~R34には名機と呼ばれるRB26DETTエンジンを搭載し、GT-Rの中でももっとも支持層も販売台数も多い世代だ。しかし今、この第2世代GT-Rオーナーは切実な問題に直面している。

R32/R33/R34GT-Rに搭載するRB26DETTエンジンのオーバーホール事情

 2020年に富士スピードウェイで開催された「R’s Meeting」において主催のGT-R Magazineが集計したアンケートでは興味深い結果が出ている。同イベントは毎年恒例で全国から2000台以上のGT-Rが集結する、日本最大級のGT-Rイベントだ。愛車撮影会参加者へのアンケート結果をもとに、第2世代GT-R、そしてRB26DETTエンジンの現状について考えてみたい。

エンジンオーバーホールの有無は?

「エンジンオーバーホールの経験はあるか?」

 R32では実に47.5%が「ある」と答えている。「なし」が48.5%。残り4%の「不明」は恐らく中古車で購入したため、経歴がわからないということだ。R33でも「経験あり」が38%を超え、第2世代の末っ子であるR34でも4分の1以上がオーバーホールを経験済み。このオーバーホールにはエンジン換装も含まれている。

R32/R33/R34GT-Rに搭載するRB26DETTエンジンのオーバーホール事情

「経験なし」と答えたユーザーの中にも「近々オーバーホール予定」だったり「作業のために貯金中」という方も散見した。また、オーバーホール経験者の中にはすでに3度エンジンに手を入れているというオーナーもいたのである。つまりGT-Rオーナーにとって、エンジンをオーバーホールもしくは載せ替えるということは当たり前。いずれ通るメンテナンスなのである。

R32/R33/R34GT-Rに搭載するRB26DETTエンジンのオーバーホール事情

 同じアンケート調査で走行距離について尋ねたところ、R32は10万km超のクルマが56%を超えている。20万kmオーバーも少なくない。だいたい10万km時点でエンジンのリフレッシュを考えるとすれば、オーバーホール経験についても納得がいく。

R32/R33/R34GT-Rに搭載するRB26DETTエンジンのオーバーホール事情

 第2世代GT-Rはすでに最初のR32発売から30年以上が経っている。R34の生産終了から20年弱。海外への流出も問題になっているが、オーナー車として日本に現存するクルマも比較的多いと言えるだろう。これはGT-Rオーナーが日頃のメンテナンスを含めて大切に乗り続けているのが理由のひとつ。そしてGT-Rを長く乗り続けられるよう、チューニングを含めた周辺業界が一丸となってパーツ開発を行っているのもひとつの理由として挙げられる。

ディーラーでは第2世代GT-Rの重作業を断られることも

 GT-Rの「エンジンオーバーホール」は簡単にすぐ着手できることなのか、というと大間違いでかなりハードルの高い作業だ。まず最近ではハードな修理になるとディーラーで断られることがある、と聞く。GT-RやRB26DETTを得意とするディーラーでない限り「ちょっとオーバーホールしてくれ」「はい、いいですよ」とはいかないのだ。

 では、どうするのか。GT-R乗りはみな自分とフィーリングの合う専門ショップを探す。そしてエンジンのオーバーホールだけでなく、日頃のメンテナンスやシャーシのリフレッシュなど、トータルでこの「主治医」に依頼することが多い。

R32/R33/R34GT-Rに搭載するRB26DETTエンジンのオーバーホール事情

 しかし、いいショップに出会ったからといって、すぐさまオーバーホールできるとは限らない。人気の専門店になれば、重作業は「1~2年待ち」ということもザラだ。専門ショップにとって、エンジンオーバーホールは流れ作業ではない。チューナーが一機ずつ丁寧に洗浄や作業を施し、場合によっては加工も必要になる。できるだけ長く乗り続けられるようていねいに仕上げるため時間が掛かるのだ。だからGT-Rユーザーは調子が悪くなる前に走行距離などを目安として早めにエンジンリフレッシュを考え始めることが多い。

R32/R33/R34GT-Rに搭載するRB26DETTエンジンのオーバーホール事情

 さらに金額面でもエンジンオーバーホールはなかなか手痛い出費となる。かつてはベアエンジン載せ替えが一番お手頃と言われていた。リビルトエンジンが50万円前後で手に入ったからである。しかし現状は新品のベアエンジンは標準仕様が製造廃止(R33とR34のN1エンジンは136万円)。いまやRB26DETTのオーバーホールといえば、エンジン本体だけをベーシックにリフレッシュする場合でも100万円台は掛かる。これはお店が足元を見て価格をつり上げているワケではない。純正部品が製造廃止もしくは価格高騰しているため。安く済ませるために純正部品を使おうというのはGT-Rでは通用しない。むしろピストンなどは社外の鍛造品のほうが安く済む場合もある。

R32/R33/R34GT-Rに搭載するRB26DETTエンジンのオーバーホール事情

 また、タービンなどの補器類や周辺パーツもエンジン同様に劣化している場合が多く、エンジンルーム内をすべてリフレッシュすると300万円台に達することもある。それでも乗り続けたい、一生の宝だと考えているのが現在のGT-Rオーナーだ。

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