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最新のクルマのメーター事情とマークの意味を徹底解説

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TEXT: Auto Messe Web編集部  PHOTO: Auto Messe Web編集部

インパネで愛車の状況をいち早く察知する

 クルマの状態を把握するために重要なのが「メーター」だ。タコメーター、スピードメーター、ガソリン残量など必要な計器類が集合したパネルを「インパネ(インストルメントパネル)」という。ここで詳しくインパネについて解説していきたい。

 

最新のクルマのメーター事情

最新のクルマでよく使用されるメーター

 近年、自動車のメーターは液晶化が進んでいる。これは従来のアナログメーターに比べて、格段に視認性が上がるからという理由が第一だ。昼間でも夜間でも同様に見やすいというのは、運転している側が「情報を得る」という面ではありがたい話だ。

 この液晶の登場によって、インパネでさまざまな表示が可能になった。従来のいわゆる「機械式」と呼ばれるメーターは、速度計(スピードメーター)/エンジン回転数計(タコメーター)/燃料計/水温計などがメイン。そこに走行距離やギヤのポジション、各部の警告灯などが散りばめられていた。しかし、液晶メーターはそれまで以上に多彩な表示が可能となるだけでなく、固定ではなく、スイッチひとつで情報の切り替えが可能。アウディで採用されている「バーチャルコクピット」などでは、インパネが全面的にナビゲーションの画面になったりするのだ。従来なら、ナビの画面を見るために正面から視線をずらす必要があったが、これならちょっと目線を下げるだけで確認可能。脇見運転等の事故削減にもつながるだろう。

 つまり、液晶メーターとなったことで視認性が向上しただけでなく、運転中の必要なときに必要な情報を得られるようになったというワケだ。情報という面から見ると、最近では燃費計を採用するクルマも増えてきた。これは時代の流れと言うものだろう。

 ハイブリッドやEVモデルが増えてきたことで、今クルマのエネルギーがどのような状況にあるのか。エンジンで動いているのか。モーター(電気)で動いているのか、ブレーキによってエネルギーが回生されているのか、といった表示も、最近では当然のように表示されている。最近では追従式が当然のようになったクルーズコントロールについても、その動作状況はインパネに表示されるようになっている。

 また、自分の運転がエコだったのか、そうではなく少しラフだったのかという指標まで表される。大きなお世話と思う方もいるかもしれないが、それだけインパネには情報量が詰まっていると考えていただきたい。

現在少なくなってきたメーター

 では逆に、減ってきたメーターというものはあるのだろうか。それはズバリ「タコメーター」だろう。エンジン回転数を表すものだが、とくに低価格のクルマには装備されていないこともある。

 かつてMT(マニュアル)車が多かった時代、シフトチェンジのタイミングを知るために必要装備だった。しかしAT車が普及したこと、クルマに関心のないユーザーが増えたこともあり、MT車であった場合にも、低価格モデルには必要ないという判断が下されたようだ。

 また、水温計に関しても最近は警告灯のみというモデルが増えている。エンジンを冷やす冷却水の温度が低過ぎる場合には低温警告灯を、高温となった場合は高温警告灯を点灯する。

 とはいえ、従来の水温計もそこまでシビアな動きをしていたとは言えない。夏場の渋滞時など、実は100℃近くまで上がっていても、メーターはさほど動かないことが多いと聞く。これはあまりにシビアに動いてしまうと、車両には問題がないにも関わらず、ドライバーがいらぬ心配をしてしまうからだと聞いた。なので、本当に危険ゾーンに入るまで針はほとんど動かず、これが上昇したら「結構ヤバイ」状態。純正の水温計はそういう程度の使い方だったので、警告灯で十分というワケだ。

 このようにして技術の進化や時代の求めるものによって、メーターは変化を続けてきた。今後、内燃機関(エンジンやディーゼル)で動くクルマがなくなれば、おのずとタコメーターはなくなる運命にある。

クルマのメーターの変化

 そもそもカール・ベンツが初めて世界で初めて開発したガソリン車にはメーターは装備されていなかった。15km/hほどで走ったと言われており必要なかったのだ。19世紀末に自動車が進化してスピードも高まり速度を知る必要が出てきた。そこで泥や飛び石よけの役割を果たしていたダッシュボードにメーターを装着するようになった。とはいっても20世紀に入てもなお、クルマに必ずしもメーターが装着されているワケではなかったようだ。当時のメーターは当然アナログ式である。

 では、デジタルメーターはいつ頃誕生したのか。日本では1980年代に各自動車メーカーが一斉に採用するようになった。初代ソアラの「エレクトロニック・メーター」が初採用である。フロントウインドウに速度などの情報を映し出すヘッドアップディスプレイもこの時代に誕生した。当時はバブル期で、デジタル=新しい、偉いという発想があったことと浅からぬ関係があったのだろう。また、スポーツモデルでは日産R32型スカイラインGT-Rでインパネ以外にも3連メーターが採用されるなど、メーターの数が多いほどカッコいいという風潮もあった。チューニングするために車両の状況把握が必要だったという面もあるが、追加メーターをダッシュボード上やAピラーに数多く装着するカスタマイズが流行ったのも、この影響が強いと思われる。

 その後2008年に発表されたクラウンハイブリッドでは世界で初めてインパネのすべてが液晶パネルを採用する。一時期プリウスなどを筆頭に、ドライバーの目前ではなく、車両の中央にメーターを置く「センターメーター」が増えたのは、前方視界との遠近をより縮めるためという理由があった。しかし、メーターを見る際に横方向への視線移動が大きくなるデメリットもあり、近年ではセンターメーターから通常の運転席前に戻すモデルも増えてきた。

 

メーターパネルの警告灯・表示灯の意味

 さて、インパネは速度計やタコメーターといったメーター類だけでなく、クルマからの重要なメッセージを伝えるという責任重大な役割がある。それが警告灯や表示灯だ。イグニッションオンにすると、まず最初にメーターパネルの警告灯と表示灯がすべて点灯するはず。そしてエンジンONでそれらは消えなければならない。最初にすべてが点灯するのは、警告灯や表示灯自体に問題がないかを確認するため。点灯しない場合は、それ自体に問題が発生している可能性があるので、すぐにディーラーやプロショップでの点検をオススメする。

 さて、この警告灯や表示灯は、よく見れば「赤」「黄」「緑」のいずれかのはずだ。これは国際規格(ISO)で決められているから。日本車だろうが輸入車だろうが、色による緊急度合いは変わらないということだ。赤色は「危険」を表しており、重大な故障(もしくは重大な故障を引き起こす原因)があることを示している。走行中に赤色の警告灯が点灯した場合は速やかに安全な場所に停車し、点検・修理を行うべきだ。黄色は「注意」を示している。緊急停車の必要はないまでも、放っておかずに点検しなければ車両トラブルが発生する。まるで信号機と同じ色合いであり、緑色は「安全」という意味。点灯しても何ら問題はない。ここからはそれぞれのサインについて説明していこう。

シートベルト非装着警告灯(赤)

 エンジンON時に運転席または助手席のシートベルトが装着されていない場合に点灯(2020年9月以降の新型車は前席のみならず後席も含めた全席にシートベルト非装着警告灯を装備することが義務化)する。安全にドライブするために、走行前には必ずシートベルトを締めなければならない。ちなみにシートの上に重い荷物を載せると、人が乗っていると判断して点いてしまうこともあるので、荷物の置き場にも気を付けたい。

半ドア警告灯(赤)

 運転席や助手席、後部座席、さらにバックドアなど、いずれかのドアがしっかり閉まっていないときに点灯する。そのまま走行すると何かの拍子にドアが開いて、同乗者や荷物が落下する恐れもある。点灯時は目視で閉まっていると思っても、必ずそれぞれのドアを点検すること。ちなみにボンネットが閉まりきっていない場合には点灯しない。もしボンネットを開くことがあったら、入念に閉まっているかどうか確認しておこう。

エンジン警告灯(黄)

 エンジンやトランスミッションに異常がある場合に点灯する。最近のクルマはたくさんのセンサーが設置されており、そのいずれかで異常を検知するとエンジン警告灯で知らせるという仕組みだ。原因はエンジンやミッション内部でのトラブルであることが多く、シロウトでは追求するのは困難だ。致命的なトラブルにつながることもあるので、すぐにディーラーやショップに相談しよう。

充電警告灯(赤)

「バッテリー警告灯」と呼ぶこともある。バッテリー本体に原因がある場合だけでなく、オルタネーターやベルト類など、充電に関わる場所に異常が発生した場合に点灯する。何らかの問題で走行中に充電ができない状態に陥ると、いつエンジンが停止してもおかしくない。メーターの明かりが消えたり、パワステがほとんど聞かなくなったりとトラブルが出始め、最終的にはエンジン停止。この警告灯が点き、充電ができない状態に陥った場合はすぐにクルマが動かなくなると考えたほうがいい。即座に安全な場所に停車し、助けを呼ぼう。

油圧警告灯(赤)

 エンジンが掛かっているときに、エンジンオイルの油圧に異常が発生すると点灯する。そのまま走行を続けるとエンジンが焼き付いてブローしてしまうこともある。すぐに安全な場所にクルマを止め、エンジンオイルの量を確認してみること。もし減っているようなら補充が必要だ。ホースやパイプなどからオイル漏れしている可能性もあるので、クルマの下を覗いてオイルが漏れていないかチェックしてみよう。オイルを補充しても点灯している場合は走り続けずにディーラーやショップに相談しよう。

ブレーキ警告灯(赤)

 パーキングブレーキ(サイドブレーキ)が効いている状態なので解除して消灯すれば正常。それ以外の場合はブレーキフルード不足などブレーキ系統に異常が起こったときに点灯する。そのまま走り続けると、突然ブレーキが効かなくなるという重大なトラブルになる可能性もある。すぐに停車して助けを呼ぶべきだ。

 また、上記以外にもクルマによってさまざまな警告灯や表示灯が存在する。「4WD」なら四駆システムの異常を知らせるし、ハイブリッド車やEVには「ハイブリッドシステム警告灯」もある。自分が乗っているクルマにどんな警告灯・表示灯がどういった位置に点灯するのか、知っておいたほうが安心・安全だ。ただ、メーターパネルの表示はとても重要ではあるが、走行中にインパネばかりに目を向けるのは危険なので避けたいところ。危険なワーニングランプの位置は覚えておいたほうがいいだろう。

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