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「シロッコ」「ジェッタ」「ヴェント」! VWゴルフの「助っ人車種」を貴重なカタログで振り返る

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

VWゴルフには多数の派生モデルが存在していた

 2021年6月15日、フォルクスワーゲン・ゴルフがフルモデルチェンジを行い8代目となった。日本には1974年に導入されてから多くの人に愛されてきている。同車には派生車種も多く、ジェッタ、ゴルフカブリオレ、シロッコなどが存在していた。今回はそんなゴルフの派生モデルを振り返ってみよう。

シロッコ&コラード(クーペ系)

 厳密に言うと初代ゴルフよりも2カ月早く、本国では1974年3月に登場したのがシロッコ。タイプI(ビートル)をベースにカルマン・ギヤが仕立てられたのと同様、ゴルフのコンポーネンツをベースにイタリアのG・ジウジアーロがデザイン、ドイツのカルマンが架装を受け持った。1974年に登場したVWシロッコ

 2400mmのホイールベースはゴルフと共通。背の高い箱形のゴルフとは対照的な低いクサビ型のプロポーションがカッコよく、ハンドリングのいいFFスポーティカーとしても高評価を得た。スペシャルティなモデルということで、ゴルフに較べ高価だった。1982年に登場した2代目のVWシロッコ

 シロッコ名義では2代目が登場した後、一度欠格期間をおいて、2009年にロングルーフながらVWの久々のクーペとして登場。2008年に登場した3代目のシロッコ

 また、2代目のあとに、事実上の後継車として登場したのがコラード。このモデルはまさしく初代シロッコの生まれ変わりといった趣のクルマで、Gラーダー、16バルブや、当時VWが用意したVR6を専用の排気量にして搭載した。1988年に登場したVWコラード

ゴルフ・カブリオ(レ)

 ポピュラーカーのゴルフにカブリオが設定されたのは“1”の時代から。日本市場では1980年に最初のモデルが発売され、1993年までに38万8522台が生産された。安全のイメージを重視したロールオーバーバー付きのスタイリングで、リヤウインドウは熱線入りのガラス製。最終モデルの“Classic Line”では3色のパールエフェクト(メタリック)が設定された。1980年に登場した初代ゴルフ・カブリオ

 一方で2世代目は、ゴルフ“3”ベースとして1993年に発売された。6層のソフトトップは電動開閉式に。1993年に発売されたゴルフ・カブリオ

 このモデルにゴルフ“4”のマスクが移植されて1997年に登場したのが3世代目で、この時から車名に“let”が付き“カブリオレ”に。1997年に登場したゴルフカブリオ

 そして2011年には、カブリオレとして通算4世代目が登場。ロールオーバーバーがなくなり、代わりに2本のバーが0.25秒で飛び出すロールオーバープロテクションシステムや5エアバッグを採用。ソフトトップはフルオートの電動に。2011年に登場したゴルフ・カブリオ

 そのほか文脈は少し違うが、2006年には電動リトラクタブルハードトップ付きのイオスが発売されている。2006年に登場したVWイオス

セダン系

 ゴルフがベースの派生車といったら、やはり3ボックスセダン系を外す訳にはいかない。VWでは最初からゴルフも、カタログ上は“2ドアセダン”“5ドアセダン”の呼称にしていたが、やはりよりフォーマルな形のクルマを求めるユーザーがいたということだ。VWゴルフセダン

 ゴルフと共通のホイールベースに4枚のドアまでを共通化、それに独立したトランクを付けたスタイル。日本市場でも初代は1981年から発売され、ヘッドランプはゴルフの丸型に対し角型を採用。ゴルフとの価格差が小さく「ゴルフにトランク代3万円(←正確な数字ではないかも知れない)を足したクルマ」などと言われたが、真面目を絵に描いたようなセダンだった。VWゴルフセダン

 歴代モデルで車名の変遷があったのも特徴で、ジェッタ(1、2世代目)、ヴェント(3世代目)、ボーラ(4世代目)、再びジェッタ(5世代目)になった。VWヴェント

ワゴン

 ゴルフにワゴンが初めて登場したのは意外にも遅く、ゴルフが“3”の世代だったときのことだった。「あのゴルフが……ワゴンになった」と、随分と肩の力の抜けたコピーが書かれた初代のカタログが手元にあるが、それでなくても合理的でスペース効率の高いゴルフがベースということで人気を集めた。初代のラゲッジスペース容量は466~1425Lで、この時の上級車種パサートが1500Lだったから、いかに“積める”ワゴンだったかがわかる。1992年に登場したゴルフ・ワゴン

 2代目は本国仕様ではセダン顔の“ボーラワゴン”も存在したが、日本仕様は順当にゴルフワゴンに。

 3、4世代は、ゴルフの5、6世代時代のモデルで、車名をもともとVWのワゴンの呼称だった“ヴァリアント”に変更。カタログ記載のラゲッジスペース容量は505~1495Lとあったが、バックドアの傾斜を強めたスタイリングは、1~2代目のクッキリとしたワゴンらしさがなくなった……というのはあくまでも個人の感想だが……。4代目ゴルフに設定されたワゴン

 クッキリとした姿に戻った“7”ではヴァリアントに加え、165mmの最低地上高のオールトラックが設定された。 7台目のゴルフにはオールトラックが追加された

その他

 ゴルフが“5”の時代、ゴルフ名義のバリエーション拡大が意欲的に実行された。“5”の登場は2004年だったが、同じ年、ゴルフのホイールベースを100mm伸ばし3列/7人乗りのミニバンタイプのトゥーランを設定。5代目ゴルフに追加されたクロスゴルフ、トゥーラン、ティグアン

 2005年には今度はゴルフより85mm全高が高いゴルフプラスその最低地上高を15mmアップさせ今でいうSUV仕立てのクロスゴルフが2007年に500台限定で登場。2008年になると、ゴルフをベースとしたSUVのティグアンが登場した。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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