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これぞ長寿の秘訣! 低走行・極上旧車の「運動不足」を解消する「準備体操」とは

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TEXT: GT-Rマガジン編集部  PHOTO: GT-Rマガジン編集部

走らせないことでトラブルを招くこともある

 クルマはそもそも走ることを目的に設計されている。動かすことを前提にしている乗り物なのだ。「走らせない」ことで弊害が起こるケースもある。「消耗させたくない」「もったいない」「忙しくて乗る時間が取れない」など、動かさない(動かせない)理由は人それぞれにあるだろう。大切に思うあまり、普段はセカンドカーを使い、ここぞという大切なときだけファーストカーを稼働するという方も。しかし、動かさないがゆえに起きるトラブルもある。そこで少し旧いクルマを保存や温存するために心得ておくべきことや、久々に愛車を動かす際にやっておいたほうがいいことを知っておきたい。

アイドリングだけではバッテリーの充電は不十分

 愛車に月数回しか乗る機会がない場合、まず気になるのはバッテリーだろう。上げたくないから週に一度はエンジンを掛ける、というのはよくある話。しかし、アイドリング状態のままではバッテリーを十分に充電できない。ある程度回転を上げないと、オルタネーターが発電しないからだ。また、停車状態での暖機しかしない場合、エンジンは暖まってもミッションやデフなどの駆動系やベアリングなどの回転部分には熱が入らない。たまにエンジンを掛けているから大丈夫という考えは持たないほうがいい。できるだけ、定期的に走らせてあげたほうが調子を維持できる。

 バッテリーの端子を外してエンジンも掛けずに長期間保管している人もいるだろう。それはクルマにとってかなり厳しい環境だ。バッテリー端子を外したまま、あまりに長い期間放置してしまうと、オーディオやカーナビなどのAV機器や電子パーツなど、コンデンサーの蓄電で保持されているメモリーが飛ぶこともある。

ガソリンは半年で使い切るようにしよう

 また、ガソリンは時間が経つと劣化するもの。ハイオクの場合、1年程度で品質が落ちると言われている。給油してから半年以内である程度消費しておきたい。完全に使い切る必要はなく、定期的に新しいガソリンを補給して混ぜてやることで鮮度は保てる。満タンでは消費するのに時間が掛かるからといって、少なめにしておくのもよくない。気温が上がる夏場などは、エンジンを掛けなくてもガソリンが気化してタンク内の圧力が上昇。それが繰り返されることで、タンクやホースなどに負担が掛かり、ガソリン漏れを起こすケースもあるからだ。年間を通して温度の変化がそれほど大きくないガレージ保管ができるならまだしも、青空駐車の場合はさらに注意が必要。たまに給油口の蓋を開けて圧を逃がしてあげないと、トラブルを起こす可能性も。

1カ月以上不動ではエンジンオイルにも問題が!

 同様にエンジンオイルなどの油脂類も時間の経過とともに劣化が進む。走っていなくてもエンジンオイルはできれば半年ごとに換えたほうがいい。また、1カ月以上エンジンを掛けないとシリンダー内のオイルが落ちてしまい、ピストンとシリンダーの油膜を保持できなくなる。そうなると始動した際にドライスタートとなってしまい、シリンダー壁に傷を付けてしまう。

 また、心配なのはエンジン本体だけではない。タービンのシャフトなども同様に、油膜が落ちてしまった状態でいきなり高速回転させると、一気に焼き付きを起こすこともあるのだ。

 そのようなトラブルを回避するために、最低限のルールを決めるといい。例えば半年に一度は法定点検に出すというルーティンを作れば、油脂類の交換もできるしガソリンを使う(減らす)こともできるだろう。同時に各部のチェックを依頼すれば、不慮のトラブルも回避可能だ。

 壊したくないから動かさないという行為が、逆にトラブルの原因になる。それでは本末転倒だ。中には大切な旧車ゆえ、2年に一度の継続車検のときにしか動かさないという人もいるそうだが、それはもはや温存とは言えない。乗らないことが、後々高く付く原因になる可能性だってあるのだ。

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