日本のファンには進化の過程がわかりにくい?
ホンダは2021年6月24日、新型シビックをオンラインでワールドプレミアした。すでにアメリカではセダンが公開されており、今回はハッチバックである。ネット上では、新型シビックに対する関心は高く、Yahooニュースランキングなどでは新型シビック関連ニュースが上位を占めた。しかし、実際に多くの日本人ユーザーが新型シビックを購入するかどうかは別の話だ。
アメリカ市場においてシビックは究極の安全パイ
なぜならば、日本人はシビックという商品の進化の過程がつかみにくい環境にあるからだ。日本人にとって90年代までのシビックは名前の通り大衆車であり、多くの人にとって身近な存在だった。それが2000年代に入ると、シビックはC/Dセグメントと呼ばれるカテゴリーのグローバルカーとして販売国別の最適化が進んだ。
その中核はホンダにとって最重要市場であるアメリカだった。Cセグメントセダンとしてシビック、Dセグメントがアコードであり、それぞれがカローラとカムリのガチンコライバルとなった。そこに、GM、フォード、韓国ヒュンダイ/キアなどが絡むという図式だった。
アメリカ人にとってシビックとは、「究極の安全パイ」というイメージが強い。安心安全で、故障は少なく、さらにリセールバリュー(下取り価格)が高いという意味である。こうしたシビックに対する解釈はブラジルを中心とした南米でも同じだ。