クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • 20年前のクルマがいよいよ維持困難に? 先輩に聞く「賢い旧車維持」の方法
CLASSIC
share:

20年前のクルマがいよいよ維持困難に? 先輩に聞く「賢い旧車維持」の方法

投稿日:

TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: Auto Messe Web

  • 旧車メンテのイメージ

  • ニスモの復刻部品
  • 旧車メンテのイメージ
  • 部品のイメージ
  • 純正部品のイメージ
  • 部品バラバラのイメージ
  • 専門店のイメージ

一部の車種では補修部品の再生産が始まったが……

 最近は自動車の家電化が進んでいると言われるが、部品供給についても当てはまったりする。さすがに家電のように生産終了から8年でパッタリとなくなるということはないが、それでも10年ぐらいから徐々になくなって、20年もすればほとんどなくなるというのが一般的。最低限、走る、曲がる、止まるの基本に関わる部品だけは供給してくれればいいが、それも無理で、車検を通すだけでもひと苦労というのが現状だ。

 最近は、ネオヒストリックを中心として部品復刻が行われるようになったが、作ってくれるのは感謝しつつも、メジャー車種の一部の部品のみといったところだ。ある程度は宣伝も兼ねてとはいえ、メーカーもボランティアではなく、闇雲に復刻するわけにはいかないだけに仕方がないところではある。

ニスモの復刻部品

古くなればなるほど専門店に依頼したほうがいいことも

 だからといって捨ててしまえ、というわけにはいかないわけで、愛着ある愛車、なんとか維持したいところだろう。また憧れのクルマを購入したいけど、部品が心配で踏ん切りがつかないという方もいるのではないだろうか。

 実際にまだ乗っている人もいるし、走っているのを見ることもある。維持などどうしているかというと、手があるにはあるのだ。まずは購入時点からとなるが、できるだけ専門店で購入するということ。専門店と言っても、単一車種のみ取り扱いがいい。

専門店のイメージ 単一車種ということはそれ一本で営業しているわけで、そうなると当然、部品はストックしているのは当たり前。ある店主が「専門店の存在意義は部品供給にあり」と言っていたが、まさにそういうことだ。ただ、部品だけ売ってもらえばいいじゃないかと思うかもしれない。だが、絶版部品については「車両を買った」→「日ごろからメンテをお願いしている」の順に優先順位が付いていて、部品だけ売ってほしいというのは無理だったりすることも……。

 ただし、専門店にも頼らずに維持している人がいるのも事実。プライベーターと呼ばれるセミプロDIY派だけでなく、街の修理工場で面倒を見てもらっている人もいるのだ。ちなみにディーラーは部品がないのはもちろん、古いモデルは見られるスタッフがいないこともあって、旧車お断りの場合もあるので、あしからずだ。

インターネットのオークションなどをうまく活用する

 要は部品を自分で調達する場合、どう手配するかということだが、まずはネットオークションを探すというのは最近の定番だろう。車種にもよるが、中古部品ならけっこう出てくるし、新品も値段は別としてあったりする。ただ、急に必要になったときに出品されているとは限らないし、争奪戦になって予算がまったく合わないこともありえる。

純正部品のイメージ もうひとつ、ネットを活用しての入手方法としては、海外で探すということ。国産車でも北米を中心に海外で販売されていたことも多く、専門店があって通販を行っているところもある。以前はメールで英語を使ってのやり取りだったが、最近では通販サイト感覚で簡単購入も可能だ。さらにe-Bayは中古、新品問わずいろいろと出品されていて、思わぬ発見が多い。加えてe-Bayは各国で展開しているので。アメリカでなくてもイギリスにはあったということも珍しくない。

汎用品を活用したり手に入る部品を確保することが大事

 そのほか、本当に長く乗りたくて場所があるなら、部品取り車を買ってしまうのも手。車体丸ごとが無理なら、エンジン単体などでもいいだろう。中古部品もぎ取り放題なので、部品にはかなり困らなくなる。

部品バラバラのイメージ ここまでは純正部品の入手という点で見たが、ほかには流用も駆使する価値はある。他車だけでなく、ときには他社も含めて探すと機能部品を中心に流用が効くことがけっこうある。もちろん流用情報そのものを手に入れるのが問題なのだが、こちらもネットを探すと、先人がいたりするので意外にすぐ判明したりする。またゴムのブーツやオイルシール、ベアリング、ボルト&ナットなどは汎用品がモノタロウなどの資材通販サイトで入手しやすくなっていて、サイズが合えば使えることが多い。

 ただ、よく聞く「ない場合は作る」だが、作れるものは限られているし(ゴムや樹脂はとくに困難)、費用もかなりかかる。そのため元値が高いスーパーカーなどならいいが、国産車の実用やスポーツカー程度だとコストは合わないだろう。

 予防的には最初に紹介した、走る、曲がる、止まるに関係する消耗品程度はストックしておくぐらいのことはしておきたい。電動化時代に向けてますます供給環境は厳しくなっているだけに、必須のことだろう。

他車種からの流用が有効な場合も!

 最後に部品の供給はメーカーによってばらつきがけっこうあって、実感ではあるがスズキは良好なことが多い。日産は個々の専用部品については厳しいものの、エンジンやミッション、デフなど多くの車種に共通して使われていたこともあって、その点については部品は出やすい。輸入車については昔から、部品の入手には困らないと言われている。だがリーマンショックあたりから供給が悪くなり、社外品では品質がかなり悪くなっているのが実際で、イメージするほど環境がいいとは言えなくなってきている。

 いずれにしても、部品あっての旧車ライフ。ストックしたり探したりするだけでなく、傷まない運転というのも大切になってくるというのは頭に入れておいてほしい。

  • ニスモの復刻部品
  • 旧車メンテのイメージ
  • 部品のイメージ
  • 純正部品のイメージ
  • 部品バラバラのイメージ
  • 専門店のイメージ
すべて表示

 

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS