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スカイラインだけじゃない! カリスマエンジニア「櫻井眞一郎」が手掛けた名車4選

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: 日産自動車/オーテックジャパン/Auto Messe Web

  • 櫻井眞一郎さんシートに座る

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あらためて「スカイラインの父」の功績を伝えたい!

 スカイラインの父と呼ばれ、数々の伝説と伝説を築いたカリスマエンジニア「櫻井眞一郎」氏の逝去から2021年で丸10年。既成概念に囚われないフレキシブルな発想と優れた実行力、統率力でプリンス自動車/日産自動車/オーテックジャパン/S&Sエンジニアリングを渡り歩き、日本のモータリゼーションを牽引してきたひとりである。

 熱血漢であり、ひたむきにクルマ作りに取り込むがゆえに、部下には厳しく接し、愛あるスパルタ指導が日常茶飯事であったそうだ。そのため、頑固で気難しい技術者というイメージが世間には浸透していたが、実際に会うと年齢問わず紳士的かつフレンドリーな対応で内面から優しさが伝わってきたものだ。また、熱のこもった受け答えは人を惹きつける魅力に溢れていた。

櫻井さんの開発風景 その櫻井氏が開発に携わった代表車種といえば、初代のALSI型から7代目のR31までのスカイラインが挙げられる。だが、じつはほかにも数多くの車種で最前線に身を置いてきた。今回は櫻井氏が手掛けたスカイライン以外の車種をピックアップした!

4代目ローレル(C31型)

欧州車に負けない質の高い走りを目指したアッパーミドルサルーン

 6代目スカイラインであるR30型と兼任で、櫻井氏が開発に携わったのが4代目ローレル(C31型)だ。2、3代目のアメリカン基調なスタイリングから一変し、初代と同じ欧州テイストのデザインに回帰した。

ローレルのフロントスタイル スラントしたスッキリしたノーズに、メッキが多用されたサイドのシックスライトキャビンは、後席の居住性と伸びやかなプロポーションが特徴だ。2ドアハードトップを廃止し、4ドアハードトップと4ドアセダンのラインアップに。空気抵抗係数(Cd値)は0.38(4ドアH/T)と良好であった。

ローレルのリや インテリアはハイソカーブームの流れに乗った豪華路線であったが、理想的なドライビングポジションが設定できるフリーシフトセッターや、世界初のタイマー付きパワーウインドウ、足踏み解除式パーキングブレーキなど人に寄り添う櫻井氏らしいアイテムが新たに採用されてる。

ローレルのインテリア エンジンはターボが追加されたものの、3代目と同じくL型を軸に置いたラインアップ。高性能モデルはL28エンジン(145ps/23kg-m)で、兄弟車ともいえるスカイラインに搭載された最新の直列4気筒DOHCエンジンであるFJ20型は最後まで搭載されなかった。

ローレルのエンジン 欧州のセダンに対して負けず劣らない質の高い走りを得ていたが、経済が上り調子の時代、ユーザーは革新や先進などを求め、直感的に新しさを感じさせたマークII3兄弟を支持した。

Be-1

性能ではなくデザインで時代を刺激したレトロポップなパイクカー

 R31型スカイラインの開発途中で病に倒れた櫻井氏。退院後は少量生産の特別限定車の開発に取り組んでいる。復帰後初の指揮を取ったのが日産初の「パイクカー」であるBe-1だ。コンセプトは時代に流されない、普遍的な価値を持った先端のクルマである。1985年の第26回東京モーターショーに参考出品され、大絶賛された。

Be-1のフロントスタイル 特筆すべきはデザインを日産社内ではなく、カーデザイナー経験のない人が提案した社外案が採用されたことだ。直線基調のデザインが主流だった時代に、丸みを帯びたレトロポップな可愛らしいフォルムは新鮮で、その後のカーデザインに大きな影響を与えた。

Be-1のリヤビュー ベースとなったのはK10型初代マーチ。ターボの設定はなく1Lの自然吸気のみの設定(52ps/7.6kg-m)で、室内も丸を基調としたシンプルにまとめられており、高級&高性能化著しい時代に逆行していた(ボディパネルには世界初の新素材、フレックスパネルやABS樹脂を採用していたが……)。その年の通商産業省選定のグッドデザイン賞に輝くなど、速さや豪華装備、最新の技術でもなく、デザイン力で時代を刺激したのだ。

Be-1のインパネ モーターショーでの反響を受けて、1987年1月に1万台限定で発売が決定すると予約が殺到し、急遽抽選販売に変更。中古車相場が新車価格を上まわるなど爆発的な人気を誇った。Be-1の成功により、第2弾のパオ、第3弾のフィガロへとパイクカーは繋がっていった。

Be-1のエンジン

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