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ついに国内販売も「復活の兆し」アリ! これまで日産が元気のなかった「5つの理由」とは

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: 日産自動車/Auto Messe Web

  • 日産本社社屋の看板

  • サーキットを走るS15シルビア
  • 日産本社社屋の看板
  • インフィニティG35
  • 現行K13マーチ
  • 北米のローグ
  • 新型フェアレディZのフロントスタイリング
  • Y32型グロリアグランツーリスモ
  • フーガのフロントスタイリング
  • 生産終了となったティアナ
  • 初代プリメーラのフロントスタイリング
  • キックスのフロントスタイリング
  • V35型スカイライン
  • ゴーン氏
  • 内田社長

新型投入とリストラで見えた光明! 長い負のトンネルを抜けた!?

 販売台数優先からクルマの質(出来栄え)、販売の質向上へと舵を切った日産が復調の兆しを見せている。2019年、2020年度は正直かなり苦しかった。そのなかで、まずは過剰設備を整理。スペイン、インドネシアの工場を閉鎖し、車種を2割程度減らす(現在も継続中)リストラを優先し、3500憶円の固定費を削減した。

 同時に複数の新型車を投入。なかでも2020年末に北米で発売された「ローグ(日本名エクストレイル)」や、日本の「ノートファミリー」がスマッシュヒットしている。2021年夏には北米の主力モデルである大型SUVの「パスファインダー」、ピックアップトラックの「フロンティア」の新型を相次いで投入。さらには日産の顔と言える新型フェアレディZのデビューが控えるなど商品力を強化し、販売面&話題を含めて勢いを増すばかりだ。

北米のローグ カルロス・ゴーンショック以降の長かった負のトンネルに、ようやく光明が見えてきたように感じる。往年のファンもようやく胸をなでおろしたのではないだろうか? だが、長年ファンから愛されるクルマ作りをしてきた日産がなぜ「倒産」という言葉が出る状況にまで陥ったのか? やらかしちゃった日産、その凋落の理由をあらためて考えてみた。

売れ筋車種のグローバル戦略により国内での人気が下降

 まず挙げられるのはホームの日本市場を軽視し、アウェイである海外のマーケットにウエイトを置いた新車開発がされたこと。その流れを加速させたのは、2001年に登場したV35(11代目)スカイラインだ。伝統の直6エンジンに別れを告げ、V6エンジンになったことがファンをがっかりさせたと言われるが、これは生産効率などを考えると仕方がない。

V35型スカイライン

 そのほかにも理由はあるが、一番はこれまでメインマーケットであった日本より、北米市場を中心の車両開発となったことが往年のスカイライン、日産ファンをガッカリさせてしまった。リバイバルプランの真っ最中だったので、地域ごとのニーズを盛り込むことは難しかったものの、結果、日本のマーケットでは支持を得られず、逆にアメリカでは新たな顧客層を掴むことに成功。となれば、次期型のV36はさらに北米寄りへとシフトするのは当然だ。

インフィニティG35

 もう1台はK13(現行)マーチ。コストダウンと新興国への生産拠点シフトの流れから、タイで生産することになった。だが、パネルのチリや樹脂の質感など、初期のクオリティはお世辞にも良いとはいえず、国内で大幅な手直しが行われたと聞く。

現行K13マーチ

 また、デザインはK12のキープコンセプトで、エンジンもコスト優先の3気筒。内外装、エンジンなどすべてにおいて新しさを感じられず。最初でケチがついてしまったたことで、その後、立て直すことが難しく、日産を代表するコンパクトカーはすっかり影が薄くなくなってしまった。従来のマーチユーザーの多くは国内で生産されたノートに乗り換えたというから何とも皮肉な話だ。

消えたキューブにティアナ……マイナー気味なモデルにも愛の手を!

 そして、売れないクルマにはほぼ手をいれていなかった。他社もその傾向はあるものの、最近の日産はそれが顕著だった。直近でもフーガ、エルグランドなどは小改良はあるものの、ほぼ放置プレイ。このあたりは大衆車を含めて毎年のようにテコ入れを行うマツダのようになってほしいところ。

フーガのフロントスタイリング

 旧型ノートやスカイラインのようにフルモデルチェンジしなくとも、ニーズにマッチするテコ入れすれば、息を吹き返して売れる実績があるのに、ティアナとキューブ、シルフィはひっそりと生産終了になってしまった。ティアナがなくなったことで、国内における日産の大型FFセダンは消滅してしまった。

生産終了となったティアナ

 トヨタがウィンダムことレクサスESを復刻させたのとは対照的で、よく言えば選択と集中、悪く言えばそれだけ余力がないのだろう。海外仕様にある兄弟車のアルティマ顔にして、スポーツを前面に打ち出すチャレンジしてみても面白かった気がするのだが……。ユニークなスタイルのキューブは、フリードやシエンタに負けないクルマになる素性はあるのに、あっさり放棄してしまったのは残念。スモールSUV市場にジュークではなく、キックスを投入したことからも個性よりも王道が今の流れなのか?

“オールニュー”の新型車が10年間なかった

 キックスが登場したときに多くの媒体が取り挙げたが、2010年に登場した電気自動車のリーフ以降、日本国内ではオールニューの新型車が出ていなかった(軽自動車を除く)。これは成長著しい新興国で販売台数を伸ばすべく、新興国の生産拠点に予算を投入し、新型車開発への投資が抑えられたことが原因。その結果、フルモデルチェンジのサイクルが伸び、ラインアップされるクルマは車齢の長いものばかりになってしまった。

キックスのフロントスタイリング

 またe-POWERなど電動系のテコ入れが大当たりしてしまったことが、その戦略に拍車をかけてしまった。ただ、いま見ると鮮度を失いかけているモデルもちらほら。それが如実に2019年、2020年の販売台数悪化に直結してしまったというわけだ。尻に火が付いた日産は2020年5月に「今後18カ月で12モデルを発売する」とアナウンス。その結果、ローグやノートはキッチリ結果を出した。熟成された魅力も捨てがたいが、やはりもぎたてでどんな味がするかわからない新人も欠かせないものだ。

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