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幻の「カウンタックLP500」が「復刻」! 2万5000時間かけて行われた「執念の再製作」の舞台裏

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: Lamborghini/Pirelli/Auto Messe Web編集部

デビュー当時に装着していたCinturatoCN12タイヤを使用

 デザイン・コンセプトであった往時のLP500に装着されていたタイヤを再構築するため、ピレリとのコラボレーションが非常に重要であることも証明された。じつはランボルギーニとピレリのコラボレーションは1963年から続いている。

 今回の再製作プロジェクトでは、ピレリ財団のアーカイブに保存されている画像と資料のおかげで、LP500が1971年のジュネーブ・ショーでのデビュー当時に装着していたCinturatoCN12タイヤのオリジナル図面を使用することができた。ランボルギーニ・カウンタックLP500 これらのドキュメントから、ピレリの技術者は、ピレリ・コレツィオーネ・シリーズのCinturatoCN12タイヤの作製に着手。このタイヤは、1930年から2000年の間に製造されたもっとも象徴的なタイヤのひとつで、ヴィンテージのイメージと現代の技術が融合したものだ。ランボルギーニ・カウンタックLP500 再製作されたランボルギーニ・カウンタック LP500用のピレリCinturatoCN12タイヤは、フロントが245/60R14、リヤが265/60R14サイズ。1970年代と同じトレッドパターンと美観を備えつつ、モダンなコンパウンドと構造を採用している。ランボルギーニ・カウンタックLP500

シェイクダウンはピレリのテストコースで行われた

 ボディカラーの選択に関しては、世界トップレベルの自動車補修塗料メーカーであるPPGのアーカイブが重要であることが判明。慎重に分析後、「Giallo Fly Speciale」と呼ばれる黄色を生成するための正確な組成を識別することができた。

 再製作されたカウンタック LP500は、1971年にもたらされたエモーションと同じものを、現車のオーナーであるランボルギーニ・コレクターに与えた。シェイクダウンは、ピレリから提供されたヴィッツォーラ・ティチーノ サーキット(ピレリのテストコース)にて行っている。ここは、コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステで正式に発表される前に、新生LP500が最終試乗を行ったのと同じ場所だ。ランボルギーニ・カウンタックLP500 このシェイクダウンにより、LP500は新しい所有者だけでなく、ポロストリコと協力してファイルとドキュメントから歴史的なカウンタックを再現するという信じられない偉業を成し遂げ、数え切れないほどの時間を費やしたサプライヤーからも感動と賞賛を得ることができたという。ランボルギーニ・カウンタックLP500

「テストとシェイクダウンにより、ゴージャスであること以外にカウンタックが完全に機能していることが確認された。私たちはクライアントと一緒に車両の完成を祝い、その実現に何時間も費やしたすべての人々と信じられないほどの感情を共有することが重要だと考えた」と、ジュリアーノ・カッサターロ氏は述べている。ランボルギーニ・カウンタックLP500 再製作されたカウンタック LP500は、11月15日までサンタガタボロネーゼのMUDETECミュージアムに展示されており、実車を見ることができるという。ぜひとも、日本でも拝見してみたいものだ。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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