かわいい「フォルクスワーゲン」がヤンチャに大爆走! 70歳超のドライバーでも楽しめる「ドラッグレース」の魅力とは (1/2ページ)

かわいい「フォルクスワーゲン」がヤンチャに大爆走! 70歳超のドライバーでも楽しめる「ドラッグレース」の魅力とは

この記事をまとめると

  • 1/4マイル(約400m)の直線タイムを競うのが「ドラッグレース」
  • アメリカで発祥して全世界に広まり、日本にもファンが多い
  • クラシック・フォルクスワーゲンのドラッグレースの様子を紹介

アメリカの若者たちが熱中したドラッグレース

 ドラッグレースといえば、映画「アメリカン・グラフィティ」が有名だ。物語の舞台は1962年、カリフォルニアの田舎町で若者たちが古いフォードなどに乗ってレースに熱中する青春群像劇。戦後アメリカで盛り上がった、自動車カスタム文化「ホットロッド」とドラッグレースが描かれている。

 なお「ドラッグ」といってもクスリのことではなく「drag(引っぱる)」の方。語源については「引っぱられるように速いから」あるいは「ボディを引きずって走るから」と一般的に言われているが、実際は異なる。

 18世紀末のアメリカで「馬車」(馬に引かれる)のスラングとして「drag」が使われはじめ、やがて荷車も含めた「クルマ」一般を指すようになる。19世紀半ばには、乗り物が行きかう大通り(street)の俗語として定着していて、20世紀初頭には「main drag」が「メインストリート」の意味をもつようになっていた。第2次大戦が終わってアメリカでホットロッド文化が流行し、ヤンチャな若者たちが公道でレースをするようになったとき、当時でもやや古風だったスラングを使って、「ストリートレース」を「ドラッグレース」と表現した、というのが正確な流れだ。

 写真は1950年代初頭のドラッグレースの様子で、まだ安全基準もクルマのチューニング技術も黎明期だったころ。クルマのパワーとスピードが進化するのに比例してリスクも高まっていき、ドラッグレースを統括する組織NHRA(全米ホットロッド協会)を中心に、競技のルールと安全基準が確立されていった。ドラッグレース専用のストレートコースが各地につくられ、今でもアメリカのレストランやバーに行けばテレビで中継が流れているのだ。

フォルクスワーゲンのドラッグレース

ちょっとイジれば驚くほど速くなるワーゲンが活躍

 やがてアメリカにフォルクスワーゲンが大量に輸入されるようになった1960年代、安くてイジりやすいVWは若者たちの格好の遊び道具になった。空冷水平対向4気筒のエンジンはシンプルな構造で信頼性が高く、チューニングすればするだけ速くなる。加えて、エンジンをリヤに搭載しているRRレイアウトゆえ発進時のトラクションに恵まれて、ボディも軽いので、スタートダッシュだけのドラッグレースとは相性がバツグンだったわけだ。

 小さなワーゲンでもイジれば大きなマッスルカーに勝つことができる……そんな面白い遊びが盛り上がらないわけがない。

 アメリカだけでなくヨーロッパから日本まで、全世界にVWのドラッグレース・シーンは拡大。わずか1/4マイルのタイムを突きつめるために、無数のチューニング技術とパーツが開発された。トップクラスになると約400mのコースを10秒前後で駆け抜け、トップスピードは200km/hオーバーという圧倒的な加速度の世界が、そこには広がっている。

 ちなみに、おそらく史上もっとも過激なVWドラッグレーサーとしては、もはやVWエンジンですらなく、タイプ2「バス」の荷台にロールス・ロイス製の航空機用ジェットエンジンを搭載して1万psを誇る通称「オクラホマ・ウィリー」が挙げられるだろう。

フォルクスワーゲンのドラッグレース

日本でもワーゲン専門のドラッグレースが行われている

 わが国にも、かつては仙台にドラッグレース専用のコースがあったのだが、今は閉鎖してしまった。そのためドラッグレース愛好家たちは、サーキットのホームストレートや空港の滑走路を使って競技を楽しんでいる。競技そのものはわずか400m程度だが、安全に減速するための長さが必要になるからだ。

 現在日本では、「staginglane.net」という団体がクラシックVWのドラッグレースを運営していて、年に1~2回のペースでレースを開催している。

 今年9月20日に開催された大会「VW Drag In. 14th」の会場は、栃木県のサーキット「ツインリンクもてぎ」のオーバルコースのホームストレート。直線の長さが十分ではないので、1/4マイルではなく1/8マイル(約200m)の「ハーフドラッグレース」だ。

フォルクスワーゲンのドラッグレース

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