排気量アップしてカスタム色を押し出した改良モデルも登場
TWとスカチューンブームはやがて他メーカーも巻き込み、ホンダからはFTR223、スズキからはグラストラッカーといったマシンたちが生まれていきます。TW自身も1998年に登場した丸形ヘッドライトのTW200Eに2000年から一本化(1998~1999年まではオフロードタイプと併売)すると、同時にタイヤもオンロード寄りに変更。さらに2002年に排気量をアップしたTW225では、シートカウルやメーターも小型化してストリート色を一層強めていきます。
2000年代前半のバイクシーンはビッグスクーターとともに彼ら「街のなかへ向かうための乗り物」が大きく花開いた時代でした。
路上駐車取り締まり強化の影響で街からストリートバイクが消える……
さて、一斉を風靡したTWも2008年には生産終了となってしまいました。その理由は排ガス規制に対応するためのコスト増を吸収しきれないというものでしたが、実際は2006年に導入されたバイクの路上駐車取り締まり強化の影響がもっとも大きかったように思います。
街の中心部へ行く乗り物だったTWやビッグスクーターはモロにその影響を被り、需要は急速に減少。それまで学生たちがアパート前に愛車を路上保管していた光景も許されなくなって消えていってしまいました。たしかに渋谷をはじめ都市部の路上にあふれかえった駐車車両には弊害もありましたが、若者文化のひとつは確実に社会によって摘み取られてしまったのです。