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実は現役最長寿の「軽トラ」!「ハイゼット」は何故61年も支持されているのか

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: ダイハツ工業/原田了

4代目は550㏄ 6代目に660ccエンジン  さらにボディサイズアップ続く

 1971年にはトラックがフルチェンジを受けて4代目(S38P)に。5カ月後にはバンもフルモデルチェンジで4代目(S38V)に移行しています。バンのリヤドアに軽自動車初のスライドドアが採用されたことが大きな特徴となりましたが、何よりもそのモデルライフの途中で軽自動車規格が変更。ボディ寸法が全長=3.0m×全幅=1.3m×全高=2.0mから全長=3.2m×全幅=1.4m×全高=2.0mに、エンジン排気量が360cc以下から550cc以下へと変更されたことで大きな影響を受けることになりました。4代目ハイゼット 後期モデルではそれに応じた大掛かりな変更がなされていますが、具体的には1976年4月に4サイクル水冷直列2気筒で550ccのAB型を搭載したS40系が追加設定されていました。このS40系ではボディそのものは大きく手が加えられることはありませんでしたが、1977年にはボディサイズを拡大したハイゼット55ワイド(S60系)が登場。これが5代目モデルとなりました。5代目ハイゼット 1981年にはボディを一新した6代目のS65系が登場。エンジンはAB型を継承しましたが、シャーシはフロントサスペンションが、それまでの歴代ハイゼットが継承してきたダブルウィッシュボーンからモダンスタンダードのマクファーソンストラット式に変更されています。さらにその1年後には4WDシステムを組み込んだS66系が追加設定。また1983年のマイナーチェンジでトラックには、今でも人気の高いキングキャブ仕様の“ジャンボ”が追加されたことも大きなエポックとなりました。6代目ハイゼット 1986年にフルモデルチェンジを受けて登場した7代目のS80/81系は、2気筒のAB型に代えて3気筒のEB型を搭載していました。ただしモデルライフの途中でまたも軽自動車規格が変更(全長が3.2mから3.3m、排気量が550ccから660ccに)されることになり、エンジンを同じ直列3気筒で排気量660ccのEF型に換装することになりました。7代目ハイゼット

 このときもボディは大きな変更もなく、1994年に登場した8代目であらためて、“フル規格”の軽商用車となっています。8代目ハイゼット

 さらに1999年に登場した9代目ではトラックはキャブオーバー・タイプのままでしたが、バンはノーズをチョコッと突き出したセミキャブタイプに変更。トラックとはまったく違った顔つきになりました。9代目ハイゼット

トラックは別系統になり独自進化

 9代目からトラックとバンが別系統となったハイゼットは、まず2004年にバン(車名はカーゴ)がフルモデルチェンジを受けて10代目に移行。トラックは10年遅れてこれに続くことになり、モデルチェンジの周期も異なったものとなりました。10代目ハイゼット もちろん、エンジンなど新技術の導入に関しては関連付けられていて、2007年には10代目のハイゼットカーゴと9代目のハイゼットトラックが、ともに新型3気筒でツインカム12バルブのKF-VE型に換装されています。また2011年には親会社であるトヨタにピクシスの名で、翌12年にはライバルだった富士重工(現スバル)にサンバーの名でOEM供給が開始されています。

 ちなみに1960年に誕生し、現在も生産販売が続けられているハイゼットは、軽自動車では最長寿ブランドとなっています。これに続くのが1961年2月に誕生したスバル・サンバーと、同年10月に発売が開始されたスズキ・キャリイです。なお、1981年に5代目ハイゼット・バンの乗用モデルとして登場したアトレーは、派生モデルというよりも今や完全な独立モデル。一方、スーパートールワゴンのウェイクをベースにした商用バンのハイゼットキャディーは“名義貸し”の別モデルでしたが、こちらは21年6月に販売が終了しています。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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