「人馬一体」感を車いすユーザーにも! 手動運転装置つきの「MX-30」を体験してみた (1/2ページ)

「人馬一体」感を車いすユーザーにも! 手動運転装置つきの「MX-30」を体験してみた

この記事をまとめると

  • マツダが自社開発の手動運転装置を搭載した「MX-30」を「国際福祉機器展」に出展
  • ステアリングホイール内周の「アクセルリング」で加速操作をする方式
  • 「アクセルリング」の反力に段差を設けることで運転しやすくしている

大手メーカーも多彩な運転補助装置を提供する時代に

 少し前まで「福祉車両」というと、いかに車いすユーザーを運搬するかという方向性の、いわゆる「介護型」がほとんどだった。だが、近年は手足に不自由のあるユーザーが、自分でクルマを運転できるようにアシストする「自操型」の選択肢が増えてきている。

「運転補助装置」はこれまで、自動車メーカー以外の企業がさまざまなタイプを発売しており、ユーザー個々の状況に応じて後付けでカスタムしてきた。

 大手メーカーとしては、マツダが2017年にいち早く「ロードスター」の「手動運転装置」付きを発売。ホンダも2020年に「フィット」用の運転補助装置「ホンダ・テックマチック」システムを発売し、今年11月4日には手の不自由な人が両足だけでクルマを運転可能な、「フランツシステム」を搭載したモデルも発売している。

 そして11月10日~12日に開催された「第48回 国際福祉機器展 H.C.R. 2021」では、マツダが新たに自社開発した「手動運転装置」を採用した「MX-30」を出展し、まもなく市販予定だ。マツダならではのナチュラルなドライブフィールを味わえる、その詳細を見ていこう。

「人馬一体」を車いすユーザーにも提供してきたマツダ

 マツダは2016年の「国際福祉機器展」に「手動運転装置」を搭載した「ロードスター」と「アクセラ」を出展し、翌2017年に市販している。手足に不自由のあるユーザーが自分で運転できるようにする「運転補助装置」を、自動車メーカーがカタログラインアップする動きの先駆けであり、「走る歓び」に価値をおいてきたマツダならではといえる。「人馬一体」の象徴である「ロードスター」を選んだのも象徴的だった。

マツダ・ロードスターの手動運転装置付き仕様

 ロードスター用の手動運転装置つき仕様は、特装メーカー「ミクニ ライフ&オート」とマツダとの共同開発。左手で操作するコントロールグリップを手前に引くとアクセル、前方に押すとブレーキという仕組みだった。

左手のグリップを前後させてアクセルとブレーキ

サイド観音開きの「MX-30」なら乗り降りが快適に

 そして今年、マツダから「MX-30」に手動運転装置を搭載した「MX-30 SeDV」が発表された。「SeDV」とは「セルフ・エンパワーメント・ドライビング・ビークル」の略で、いわゆる「福祉車両」という枠組みではなく、ドライバーが自ら運転するのを補助するという意味合い。この手動運転装置は、ガソリンモデルでもEVモデルでも取り付け可能だ。

 春に開発中の車両を使ったメディア向け試乗会が開催され、今回の「国際福祉機器展」でさらにブラッシュアップして市販モデルに近いものが一般向けに展示されたわけである。

「RX-8」以来の「観音開き」サイドドアを備えた「MX-30」は、開口部が大きくセンターピラーもないため、車いすユーザーがひとりで運転席に乗りこみ、その後に車いすを折り畳んで後席に収納するという一連のフローが非常にスムース。

MX-30のサイド観音開きだと乗り降りがしやすい

 車いすからの乗り降りをサポートする「移乗ボード」は足の邪魔にならないデザインで、運転時には立てて折り畳んだ状態になり、右足をサポートする役割も果たす仕組み。

 運転席の左側には「ブレーキサポートボード」が配置され、左手でのブレーキレバー操作(後述)をサポート。これはカップホルダーに差し込んで固定する方式なので、不要なときはカンタンに取り外せる。

移乗ボードとブレーキサポートボード

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