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名前は凄そうだけど最近聞かない「スーパーチャージャー」とは? 最近のクルマに採用されなくなった理由

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: トヨタ自動車/日産自動車/スバル/Auto Messe Web編集部

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最近あまり聞かないけど地味に活躍してるスーパーチャージャーとは

 スーパーチャージャーはターボチャージャー(以下、ターボ)と同様に、エンジンを高出力化する過給器のことだ。ターボが排気エネルギーを使うのに対して、スーパーチャージャーはエンジンの回転エネルギーを活用するため、似て非なるモノである。HKS製GTタービン

 かつてターボは、排ガスがたくさん排出される中~高回転域での効果が高く、スーパーチャージャーは低回転域を得意としてきた。だが、近年のダウンサイジングターボ(小排気量ターボ)の登場によって、どちらが得意とは言えなくなってきている。

昔のターボチャージャーはドッカンターボが当たり前だった!

 NA(ナチュラルアスピレーションやノーマルアスピレーションと呼ばれる)エンジンは、ターボやスーパーチャージャーのような過給器に頼らないエンジンのことだ。ターボは排ガスの力を使ってタービンブレードを回し、本来の排気量以上にたくさんの空気をエンジンに送り込んで高出力化を図るために生まれた。ターボエンジンの仕組み

 ターボエンジンでよく語られる事象としてターボラグがあるが、これは排ガスのエネルギーを活用するためにある程度の排圧が得られないと効果が発揮できず、エンジンが過給し始める回転数に達するまで少しエンジンレスポンスがかったるくなり、アクセル操作に対してワンテンポないしツーテンポ遅れることからターボラグが生じる。風量の大きなターボではその傾向がより強くなるため、ドッカンターボと言われるのはそれが理由だ。R30型スカイライン2000ターボRS

 ただし、近年の小排気量ターボは非常に小さなターボを使っているために、厳密にはターボラグ自体は発生しているもののドライバーが気付くことはほとんどないだろう。

スーパーチャージャーはシステムの特性上高回転域が苦手

 コンプレッサーに吸入空気を送り込んで過給するのはターボと一緒だが、スーパーチャージャーは排気ではなくて、エンジンのクランクシャフトまたは電気の動力を使ってコンプレッサーを圧縮して強制的にエンジンのシリンダーに空気を送り込む仕組みになっている。HKS製86/BRZ用スーパーチャージャー

 こちらはクランクシャフトや電力(48Vシステムなど)によって作動することから、排ガスのエネルギーを使うターボとは違い過給するまでのレスポンスの良さが特徴と言える。ただしスーパーチャージャーにも弱点があり、羽根車やドリルを合わせた構造のルーツ式(ルーツブロア式)/リショルム式/スクロール式などさまざまな方式があるのだが、どれも高回転域ではその性能を発揮させにくいのが難点。日産マーチ・スーパーターボ

 そのために初代マーチに設定されたスーパーターボやVWゴルフなどで採用されたツインチャージャーのTSIは、ターボとスーパーチャージャーの良いところを活かすために、低回転域をスーパーチャージャーが担い、高回転域をターボが補うシステムを採用した。いま風に言えば、ふたつを組み合わせたハイブリッドシステムのひとつと言っても良いのかもしれない。MA09ERT型1.0Lエンジン

低速域では強いけどいくつかの弱点も抱えるスーパーチャージャー

 昨今、スーパーチャージャーを搭載する車種がほとんど存在しない理由を考察してみると、どの方式でもエンジンの回転エネルギーを使うがゆえに、エンジン負荷が増大してしまいどうしてもエネルギーロスが発生してしまう。もちろん低速域でトルクは向上するのだが燃費への貢献度が高くなく、高回転時ではクラッチ機構によって作動が断続されてしまうことから、ターボほど効率良く高出力できないというウィークポイントがある。シェルビーGT500(5.2L V8スーパーチャージャー)

 そのうえスーパーチャージャーはターボ以上に場所を取り、重量も嵩むことがネガティブ要因となる。その反面、ターボは技術進化で低速域でもしっかり過給させることができるようになったことで、重量増やコストが嵩む傾向にあるスーパーチャージャーが姿を消していったと考えられる。

 もちろんほかにも理由があると思うが、自動車メーカーが積極的にスーパーチャージャーを採用していないことから、調達コストなどの理由も考えられ、さまざまな部分が嵩むというのが一番の理由なのではないだろうか。

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