「ABS」も「パワステ」も、挙句に「窓」もない! 公道を走れるレーシングカー「スピダー」が今じゃ絶対に市販できないワケ

「ABS」も「パワステ」も、挙句に「窓」もない! 公道を走れるレーシングカー「スピダー」が今じゃ絶対に市販できないワケ

この記事をまとめると

  • かつてルノー・スポールは独自のモデルを出していた
  • 1995年に登場したスピダーはワンメイクレース用のマシンを市販化した
  • レース向け車両らしいスパルタンな仕様になっている

ワンメイクレース用のマシンを市販可能にしたスピダー

  ルノースポールは独自モデルも作っていて、その第一号となるのが1995年(市販は翌年から)に登場したスピダーだ。スピダーとは英語で言うところのスパイダーで、ボディ形状としてはオープンカーとなる。まずそのスタイルからしてユニークで、オープンと言っても幌などはなくて、開いたまま。ドアは一般的なヒンジドアではなくて、上に開くシザードアを採用していた。ルノー・スポール・スピダー

 もともとは「スピダートロフィー」と呼ばれるワンメイクレース用を市販可能にしただけに、素のグレードではルーフどころかフロントウインドウもなかった。そのため風が直接当たるのを避けるために、出っ張り状のエアロスクリーンと呼ばれる導風板が付いていただけ。ルノー・スポール・スピダー

 装備も最小限でエアコンは当然として、ヒーターも付いていなかった。ルノー・スポール・スピダー

 当時、大きな話題になったのがシャーシで、アルミの押し出し成形した角材を組んだフレームと、ハニカムの樹脂ボードを組み合わせた軽量なもの。ボディパネルはFRP製とし、その重量は960kgだった。ルノー・スポール・スピダー

パワステやABSも装備されていないスパルタンな内容

 サスペンションは前後ともピロを介して組まれたプッシュロッド式のダブルウィッシュボーンで、レース向け車両らしい仕様と言っていい。ABS、LSD、パワステ、ブレーキブースターも標準では装着されておらず、スパルタンな内容。ルノー・スポール・スピダー

 エンジンについてはメガーヌ16Vと同じ、2L直4DOHCで、150ps/18.5kg-mを発生。これを5速MTと組み合わせて、リヤミッドシップに搭載していた。ルノー・スポール・スピダー

見た目とは裏腹に乗り心地が良かった

 短時間ではあるが、当時試乗した感じではそのスペックやレース車両譲りのピュアスポーツというイメージと裏腹に、乗り心地はよくてエンジンの味付けもマイルドなもの。カリカリな感じはまったく感じられなかったのを覚えている。あとは強烈なオープンぶりには驚嘆だった。ルノー・スポール・スピダー

 手作りで日産4台だったこともあって、1999年に販売終了になるまでの総生産台数はトロフィー仕様も含めて、1726台とかなり少なかった。また、日本にはフロントウインドウを装備した「パラブリーズ」と呼ばれるグレードが、当時正規輸入を行っていたヤナセ傘下のフランスモーターズによって100台が輸入された。ルノー・スポール・スピダー

 並行輸入でもけっこうな数が日本に入っていて、街なかやワインディングで見かけることもたまにだがあった。ちなみにフロントウインドウがない仕様は「ソートバン」と呼ばれた。現在では衝突安全などの基準をクリアすることは到底不可能だろうから、1990年代ならではのピュアスポーツと言っていい。ルノー・スポール・スピダー

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