意外と敷居が低かった? まるで映画のような「クラシック・キャンピングトレーラー」が今人気を集める理由とは (1/2ページ)

意外と敷居が低かった? まるで映画のような「クラシック・キャンピングトレーラー」が今人気を集める理由とは

この記事をまとめると

  • 欧州のクラシックなキャンピングトレーラーを紹介
  • アメリカとは趣きの異なる「シンプルイズベスト」な設計
  • レトロなデザインと雰囲気は今どきのクルマにも似合いそう

キャンピングカーの老舗「ハイマー」社の名作「エリバ」が人気

 1台ですべてをこなせる「キャンピングカー」もいいけれど、普段の愛車に「ヒッチメンバー」だけ取り付けておけば、キャンプのときだけ牽引して快適スペースを手に入れられる「キャンピングトレーラー」も魅力的な選択肢のひとつだろう。

 日本ではトレーラー重量が750kg以下なら牽引免許は不要で、普通免許と保管場所があればOK。自動車税もこのサイズなら毎年1万円程度で、2年に1度の車検に必要な法定費用も2万円程度と、維持費用もお手ごろな範囲内といえる。

 小型キャンピングトレーラーは現在も多彩なモデルが販売されているのだが、じつは1960~80年代の古いキャンピングトレーラーが今も買えて、日本でも愛用している人が多かったりする。同じような時代のクラシックカーだけでなく、1990年代や2000年代の「チョイ古」なクルマでも雰囲気がマッチするのも面白い。

 そんな「クラシック・キャンピングトレーラー」の世界をご紹介しよう。

初代カングーでエリバ・パックを牽引

ロングキャンプが当たり前の欧州で愛されるロングセラー

 キャンピングトレーラーは1930年代から欧米で普及し始めて長い歴史があり、欧州では「キャラバン」と呼ぶのが一般的だ。

 ドイツのキャンピングカー・メーカー「ハイマー」社は創業が1930年の老舗。同社の小型キャンピングトレーラー「エリバ(Eriba)」は1957年に第1号車が誕生して以来、現在にいたるまでシリーズが続いているロングセラーで、欧米のキャンプ場に行くと見かける確率が高い。ちなみに「エリバ」という名前は、創業者アルフォン・ハイマー氏と一緒にこれを開発した共同経営者、エーリッヒ・バッヘム氏の愛称に由来している。

 わが国でも、クラシック・フォルクスワーゲンやアメ車のオーナーたちを中心に昔からエリバの愛好者は多い。小型・軽量ゆえ非力なクラシックカーでも難なく牽引できるし、なにより、古いクルマと古いキャンピングトレーラーでキャンプ場に行けば、格別な雰囲気でキャンプを楽しめるというわけだ。

 近年では初代「フィアット・パンダ」でエリバを牽引している例もあるし、冒頭の写真のように初代「ルノー・カングー」で引いている事例も。年代こそ違えど、欧州車と欧州キャンピングトレーラーの愛称は抜群であることがわかるだろう。

ドイツのハイマー社が生んだキャンピングトレーラー「エリバ」

重量400kg程度でひとりで取りまわせるコンパクトさ

 千葉県のクラシックVW専門店「ストローラーズ(Strollers)」は、そんな「エリバ」をはじめとした小型キャンピングトレーラー(キャラバン)をヨーロッパから輸入販売している。

 11月に千葉市で開催されたVWイベントの会場にストローラーズが持ちこみ展示していた、1978年式の「ハイマー・エリバ・パック」をサンプルに、その詳細を見ていこう。エリバシリーズの中で一番小さいモデルが「パック(Puck)」だ。

コンパクトなエリバ・パック

 これはドイツで製造されたフランス向け仕様で、サイズは全長3950mm×全幅1630mm×全高195mm。コンパクトなうえに車両重量がわずか370kgしかないので、牽引免許不要は言うに及ばず、ひとりで余裕で取りまわすことが可能だ。このあたりは、アメリカのキャンピングトレーラーと違って、日本と同様に狭い住居も多いヨーロッパならではの特徴だ。

エリバ・パックは1人で取りまわしOK

 そして「エリバ・パック」を不朽のベストセラーたらしめたのが秀逸なデザインだ。とくにフロント部のボートのようなV型の形状は、当時としては先進的な空力思想を反映したものともいわれる。ハイマー社が現在販売している子孫「エリバ・ツーリング」にも、この要素は継承されているほど。

 天井からピョコンと飛び出す「ポップアップルーフ」はインテリアでの頭上高と採光、さらに換気にまで役立つ装備であるが、ルックス的なかわいらしさも十分だ。

フロントのV型デザインとポップアップルーフ

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