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もはやお金持ちしか乗れない? 日本きっての名車「第2世代GT-R」の維持費のリアル

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

  • 第2世代スカイラインGT-R(メンテナンス)

  • スカイラインGT-R(ボディ腐食)
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  • 第2世代スカイラインGT-R(BNR32/BCNR33/BNR34)

第2世代GT-Rの中古車相場高騰の勢いはまだまだ止まらない

 1990年代スポーツカーの中古車相場の高騰、なかでもトップクラスの人気を誇るのが第2世代と呼ばれるスカイラインGT-R……という文章をこれまで何度書いただろうか。しかもその傾向は強まるばかりで、勢いにいまだ陰りは見えない。R'Sミーティング

 さらにスポーツカーの高騰は2000年代のクルマにも飛び火。人気薄だったZ33フェアレディZやNB、NCロードスターなども軒並み上昇中と、「格安スポーツカーで遊ぶ」という選択も年々難しくなりつつある。トータルで見れば、現行車もしくは代替わりをした直後のスポーツカーを買うのが一番賢い遊び方かもしれない。

いまから購入して楽しむなら高額な維持費は覚悟すべし

 話をスカイラインGT-Rへ戻そう。「クルマは高いし、維持していくのも大変か」と聞かれれば、これから買うのであれば「高すぎる」との回答になる。では維持はどうか? これから買って、コレクションとして保管するのではなく、走って楽しむならば「覚悟はしておいてください」となり、古くから所有しているならば、これまでのメンテナンスや今後の乗り方にもよるが、「年々部品が高くはなっているけれど、大きなリフレッシュがなければ、そうはかからない」となる。スカイラインGT-R(BNR32)

 まず、中古車相場だが、2021年12月時点では長男のBNR32(8代目/1989~1994年生産)が450~1000万円、次男のBCNR33(9代目/1995~1998年生産)が450~1000万円、三男のBNR34(10代目/1999~2002年生産)に至っては、1300~3500万円といったところ(※ちなみにR35は550~2300万円だ)。スカイラインGT-R(BCNR33)

 いずれの車両も当時の新車価格を超え、BNR34に至っては2倍以上となっている。昨年の同時期と比べるとR32&R33が約100万円、R34に至っては200万円ほど下限価格がアップするなど、異常なほどの上昇っぷりだ。スカイラインGT-R(BNR34)

 スカイラインGT-Rは趣味で所有するにはいいクルマだが、現状価格はすでにプレミアの域を超え、さすがに適正とは言い難い。個人的にはそこまで出して買うクルマではないと思っている。ただ、輸出も進み国内から個体数も減り、「待っていたらいいクルマが2度と手に入らない」のも確か。本気で欲しい人、手が届く人に買わないほうがいいとは言えないのがなんとも歯がゆいのだが……。

価格高騰でメンテ歴が確かな個体でも売却される機会が増加

 また、マーケットにある下限のクルマは事故歴あり、距離不明、程度難ありのものも存在し、第2世代GT-Rが底値だった平成24年(2012年)なら手を出すのを誰もが躊躇した、いわゆるハズレが混じっている可能性は高い。

 とくにエンジンの不具合(本体、補器類、電装系など)、車体の劣化(腐食、事故の不完全修理など)などはパッと確認しただけではわかりにくいもの。見た目がキレイだからと購入したらトラブル続発、ボディ下が錆に犯されていたりなど泣く泣く手放したという話も聞く。それが100万円以下ならまだ諦めもつくが、450万円となったらそうはいかないし、安易に手を出すと痛い目を見る。もし買うなら、GT-Rをよく知る人と見に行くことをオススメする。スカイラインGT-R(ボディ腐食)

 さらに、GT-Rに精通していない一般販売店で買うのもリスクが高い。任せられるメンテナンスショップを確保し、個人的にもGT-Rに精通して個体を判断できるならいいが、スカイラインGT-Rには見えにくい固有のトラブルも多く、一般販売店ではそれを知らず、見落としている可能性は大いにある。つまり、アフターフォロー、トラブル対応などは期待できない可能性が高い。つまり専門店で買うほうがいいと言われる理由はそこにある。

スカイラインGT-R(価格高騰)

※写真はイメージです

 ただ、高騰によるメリットもある。以前は「そろそろお金がかかりそう」「維持が難しくなった」とマイナス面で手放すケースが多かったが、いまが高く売れるからという理由で売却する人も増え、メンテナンス履歴のしっかりした個体が市場に出ることも増えた。こうしたクルマを買えば、今後の維持費用は比較的抑えられるので総合的に得になる。

車齢は20年落ち以上であることをしっかり理解しておきたい

 次は維持の問題。まず、大前提として考えてみてほしい。第2世代スカイラインGT-Rは2022年でもっとも新しいBNR34で20年落ち、もっとも古いBNR32になると生産終了からなんと33年を迎える。もはや立派なヒストリックカーだ。走行距離が短く、タイヤを外してジャッキスタンドをかけ、日光を当てずに一定の室温管理。エンジンも定期的に始動し、台上でミッション、ドライブシャフト、デフなどの機関をしっかりと動かすような環境でもない限り、経年劣化は免れない。第2世代スカイラインGT-R(メンテナンス)

 普通に使用されてきたクルマならば、駆動系、電装系、ボディ、ゴムパーツを含めて各部には最低でも20年分以上の疲労や劣化が蓄積されている。動かされずに保存していたボディ極上の低走行車の場合であっても、走らせるとなれば、機関や足まわりなどは動いていなかったがゆえに起こりえるトラブルもある。

 簡単にいえば運動不足のお年寄りに、いきなり激しい運動をさせるようなもの。どうなるかは読者諸氏にも理解できるだろう。こうした場合は念入りな準備運動整備が必要だ。つまり、つねにクルマを動かしており、履歴がしっかり残っているクルマ以外はどこから不具合が起こるかは特定しにくい。まさに時限爆弾を抱えている状況なのだ。第2世代スカイラインGT-R(エンジンリフレッシュ)

 ちなみに長く乗り続けている方は(定期的なメンテナンスや車検ごとの部品交換などが行われている場合なら)すでに部品を交換するサイクルが確立されている可能性が高く、次はどの部品が壊れるかはおおよそ判断、予想がつくようになっている。エンジン本体など大物部品のリフレッシュがなければ、早め早めの消耗部品のサイクル交換を行うことで、不具合が起こる可能性は少なくなるだろう。これは他車種でも長く乗れば同じことが言えるため、メンテナンス費用はべらぼうに高いわけではない。

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