快適性を犠牲にしたっていい! BMWが「フロントミッドシップ」にこだわる理由とメリット (1/2ページ)

快適性を犠牲にしたっていい! BMWが「フロントミッドシップ」にこだわる理由とメリット

この記事をまとめると

  • 駆け抜ける歓びが感じられるシルキー6こそBMWの美点だが
  • フロントミッドシップを叶える前後重量配分を採用する
  • じつはハンドリングに限ると直4エンジンモデルがオススメ

重量物をより車体中央に積める
直4はハンドリングに優れる!

 これは直6を積んでも前後重量配分が50:50になるための搭載方法なのだが、エンジン本体がコンパクトな直4なれば、フロントサスペンションよりも前にエンジンという重量物を置かなくて済むこと。このメリットは大きくクルマの前方に重量物があれば慣性の法則で運動性能が損なわれるからだ。BMW直4エンジン

 もちろんFFであれば、前輪にトラクションがかかりやすくて直進性能が高まるといったメリットも出てくるだろうが、FRのBMWであればハンドリング面においてデメリットしか出てこない。つまりBMWの直4はできるだけ重たいものを車体中央に位置することで、優れたハンドリングを実現するための手段となるわけだ。E90型3シリーズ

 それゆえにE36型ではローパワーの直4にスポーティな走りを楽しめるMTを設定したのであろう。こうした判断は正しく、確かにE36型の直4はMT仕様の人気も高かったし、後継モデルのE46型やE90型でも直4モデルのMT仕様が設定されていた。つまりBMWが考えるMTスポーツは、重量物が車体中央にあってこそのMTであることが伺える。E46型BMW3シリーズti(コクピット)

 極端なことを言えば、前後のバンパーに重りを積めば前後重量配分50:50は実現できる。しかしこの方式だと前述したとおり慣性の法則が働いて、スポーティな走りは叶わないだろう。それゆえ、BMWは車体中央に重量物を詰め込んだ50:50こそ、BMWスポーツの神髄だとラインアップを続けてきたワケだ。E90型BMW3シリーズ(パッケージ)

 もちろんデメリットもある。同クラスのFF車と比べれば室内は狭くなる。同じFRでも、エンジンを車内側に近づけるほどトランスミッションが張り出し、室内は狭くなる。だがBNWは頑なだ。すでに過去のキャッチフレーズになってしまったが「駆け抜ける歓び」をアイコンとして発信し続けたBMWは、車体の前方や後方を軽くして重量物を車体中央に集めた重量バランスで、運動性に優れたスポーツサルーンを作り続けてきた。

BMWといえばシルキー6が象徴になっている。その例えは誤りではないが、BMWのこだわりは直6エンジンではなく前後重量配分50:50を実現するフロントミッドシップにある。重量物を限りなく車体中央に置くことで走る歓びが感じられるハンドリングこそがBMW