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買う気なら「その前」に読んでほしい! マツダCX-30のSKYACTIV-X搭載車で雪も雨も晴天も乗り越え1500kmリポート

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TEXT: Auto Messe Web編集部 竹内耕太  PHOTO: Auto Messe Web編集部 竹内耕太

  • 引き算の美学で大人向けのデザイン
  • CX-30のリヤスタイル
  • 内燃機関のさらなる可能性をになうSKYACTIV-X
  • ドライバーと正対する自然なペダル配置
  • エンジン全体をカバーで包んだ「カプセル吸音」
  • ガソリンで圧縮着火を実現したSKYACTIV-Xエンジン
  • 高速道路では意外なほど静か
  • 仙台では時々路面にアイスバーンがあった
  • 山形蔵王ではシャーベット状の雪と圧雪路面が組み合わさった状況
  • G-ベクタリングコントロールプラスは雪上でも活躍
  • 1500km少々走った平均燃費は13.7km/L

発売から2年で2回の改良を受け「気持ちいい」エンジンに進化

 マツダの新世代を担うコンパクトカーとして2019年5月に発売された「マツダ3」。それと同じプラットフォームを用いて、同年10月に発売されたクロスオーバーSUVが「CX-30」だ。この2モデルがもっとも注目されたトピックは、マツダの技術陣が世界で初めてガソリンエンジンでの「圧縮着火」を実用化した「SKYACTIV-X(スカイアクティブ・エックス)」ユニットを与えられたことだ。

 過ぐる年末年始、「SKYACTIV-X」エンジンを搭載したCX-30の4WD仕様、スタッドレスタイヤ装着車をマツダからお借りして東北地方まで長距離ドライブする機会があった。合計1500kmも走りこんできたので、正直なインプレッションをお届けしよう。

SKYACTIV-X:まったく新しいマツダ渾身の燃焼方式

 まず「SKYACTIV-X」エンジンについてごく簡単に説明しておくと、マツダいわく「ディーゼルとガソリンの良いとこどり」。マツダが独自に開発したまったく新しい燃焼方式「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」により、ディーゼルエンジンのような「圧縮着火」をガソリンで実現して燃焼効率をアップ。その結果、ディーゼルの「優れた初期レスポンスと力強いトルク」、ガソリンの「リニアな追従性と高回転までのスムースな伸び」を両立させたというわけだ。もちろん燃費性能の向上やNOx排出量の低減にも効果が大きい。

ガソリンで圧縮着火を実現したSKYACTIV-Xエンジン

 とはいえ、「X」デビュー直後に「マツダ3」に乗ったときは、上記の説明とは裏腹にアクセル操作へのレスポンスが悪く、もたつき感に当惑したものだ。さすがに改善を求める声が多かったようで、2020年12月の商品改良で「X」の制御プログラムをアップデートし、応答性を改善。すでに「X」搭載車を購入したユーザーにも無償でプログラムを書き換えるサービスが提供されたのだった。

エンジン全体をカバーで包んだ「カプセル吸音」

街乗り:飽きのこないデザインで使い勝手も良好

 さて、CX-30のサイズは全長4395mm×全幅1795mm×全高1540mm。同じマツダの「CX-3」では手狭だが「CX-5」ほど大きい必要はない、といった、3~4人のファミリーがメインターゲットのクルマだ。兄弟車「マツダ3」の「ファストバック」(ハッチバック)では、後席の乗り降りと頭上空間にやや難があったが、CX-30なら身長173cmの筆者が後席に座っても快適に過ごせる。ラゲッジルームは通常時430Lで、4人で旅行するには必要十分な容量といえる。

「魂動(こどう)」デザインのエクステリアも、ほかの国産車がゴテゴテ余計なラインを増やしがちななか、「引き算の美学」を感じさせてくれて、ボディサイドの優美な造形も好ましい。今回の試乗車のボディカラーは昨年10月に追加された新色「プラチナクォーツメタリック」だったこともあり、自己主張は強くないものの大人の上質感を漂わせる。

引き算の美学で大人向けのデザイン

 この「SKYACTIV-X」エンジン搭載仕様はマイルドハイブリッドを採用していて、発進時の出足は非常になめらか。上述した制御プログラムの改善のおかげで、スーパーの駐車場や住宅街を低速で動くときも違和感なく、周囲の状況確認に集中できる。近年マツダがこだわる自然なペダル位置とともに、不要なストレスを感じないことは、まず第一に安全運転につながる。

ドライバーと正対する自然なペダル配置

ワインディング:あらゆる回転域でレスポンスよく加速

 筆者の自宅は小田原市にあり、すぐ近所の箱根~伊豆エリアのワインディングにCX-30を持ちこんでみた。「SKYACTIV-X」のエンジンサウンドは、ディーゼルの「ガラガラ」音に近いがガソリンっぽさもある独特な音。2021年10月の商品改良で吸排気系に手が入り、加速時のエンジンサウンドがさらに強調されている。

 走行モードを「スポーツ」に切り替えて高回転域まで回して走ると顕著で、パワーとトルクが低回転域からリニアに立ち上がり、アクセルペダルでのパワーコントロールもしやすい。とくに4000rpm~6500rpmの高回転域でもトルクが衰えずに加速していくのは「SKYACTIV-X」独特のフィーリングだ。

「GVCプラス(G-ベクタリングコントロールプラス)」のおかげで、スムースにコーナーをクリアできるのは近年のマツダ車共通の恩恵。絶対的な「速さ」ではなく「気持ちいい走り」にこだわるのがマツダらしさだ。

CX-30のリヤスタイル

高速道路:「カプセル吸音」により想像以上に静か

 いよいよ東北地方へ旅に出よう。試乗車は「SKYACTIV-X」搭載で4WDかつ6速AT、車両重量はCX-30のラインアップのなかで一番重い1550kg、燃費もWLTCモード16.6km/Lに留まる。なおかつスタッドレスタイヤ装着なので、燃費についてはあまり期待できない。

 小田原を出発して、小田原厚木道路~圏央道~東北道で仙台を目指す。静粛性はこのクラスとしては上々で、高速走行時の回転数はほぼ2000rpm以下のためエンジン音も気にならない範疇だ。前席と後席との会話にも支障ない。

 これは、「SKYACTIV-X」エンジンを上部だけでなく、全体をカバーで覆って「カプセル」化して吸音対策を徹底しているため。マツダがディーゼルエンジンの開発を通じてガラガラ音の対策ノウハウを蓄積してきた、その成果が活かされているのだという。

 高速道路の区間では、エコランをとくに心がけなくても燃費は15.6km/Lと良好だった。

高速道路では意外なほど静か

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