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廃車を免れた貴重な1台! 60年代に配備された神奈川県警仕様ポルシェ912パトロールカー【東京オートサロン2022】

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典

4台中の3台は勇退後に粉砕

 この神奈川県警で活躍していたポルシェ912のパトロールカーは1968年12月~1974年12月までの6年間活躍し、その間の総走行距離は15万5943kmであった。現役時代のナンバーは「横浜8 つ 858」である。勇退後は神奈川県警察学校のロビーに展示されたが、飾られている間に廃棄処分のための予算を執行できなくなってしまったことが幸いし、民間の解体業者のもとに渡った。展示されることがなかったそのほかの3台は廃棄処分のための予算が難なく確保されてしまい、残念ながら勇退後に粉砕。この世から消失している。ポルシェ912のパトロールカー

 往時の写真でナンバープレートが「横浜8 つ 858」ではなく「88 さ 10-90」になっているものがある。これは神奈川県警察学校に展示しているときに、学校関係者が同時期に展示していた日産フェアレディ240Zのパトロールカーよりもポルシェ912のパトロールカーにナンバープレートが付いているほうがいいと考え、Z用を装着してしまったからだ。

 240Zのパトロールカーは現役時代に「横浜88 さ 1090」というナンバーで活躍していた。展示用のナンバープレート(本物の素材とプレス機を使用して製作)に管轄を入れてしまうと偽造ナンバーになってしまうため“横浜”が記載されていないのであった。

当時を知ることができる貴重な1台

 オートサロンのLIQUI MOLYオイルのブースに展示されたポルシェ912のパトロールカーは「たった1台のみ現存する本物」ということになる。現在のオーナーがLIQUI MOLYのオイルを愛用しており、その縁で披露できることになったという。廃棄処分扱いとなった警察車両を解体業者が民間に譲ってくれるケースは本当に稀だが、オーナー氏が足繁く通って頼んだことにより、譲渡してもらえたそうだ。ポルシェ912のパトロールカー

 オールペイントされることなく、現役当時のままになっているボディには「神奈川県警察」という文字がそのまま残り、貴重な存在であることを物語っている。長い年月をかけて再登録できる書類を用意し、各部をリフレッシュしたので、現在、新しいナンバープレートを付けて公道を走行しているが、その際には「警察」という文字を隠し、ルーフ上の赤色灯にもカバーを被せてパトロールカーではないことがわかるようにしている。バグガード、前面赤色灯、後方赤色灯も装備し、リヤのスピーカーはバンパー内に埋め込まれている。ポルシェ912のパトロールカー

 室内も当時のディテールを保っており、高速道路で取り締まりを実施するパトロールカーならではの装備であるダッシュボード上のスピード計測器やマイク/アンプなどを確認できる。フロントフードに付いていたポルシェのエンブレムは外され、旭日章となっているなど見るべきポイントがたくさんあるので、どこかのイベントで遭遇したらディテールを観察してみるといいだろう。ポルシェ912のパトロールカー

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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