スーパーカーなのか否か? 少年を熱狂させた「ロータス・ヨーロッパ」の正体とは (1/2ページ)

スーパーカーなのか否か? 少年を熱狂させた「ロータス・ヨーロッパ」の正体とは

この記事をまとめると

  • 漫画「サーキットの狼」の主人公が乗っていたロータス・ヨーロッパ
  • 小学校低学年の身長よりも低い全高に誰もが驚いた
  • Sr.1からレーシングモデルの47まで振り返る

廉価でもドライビングを楽しめるピュアスポーツ

 ロータス・ヨーロッパが登場したのは1966年の12月で、1957年に登場したロータス・セブンの後継として開発されたものでした。もっともセブン自体はシリーズ1からシリーズ4まで改良を重ねながら1973年まで現役として販売が続けられていて、1967年から1973年までは新旧2台のライトウェイトスポーツが併売される恰好でしたロータス・セブン

 それはともかく、それまでのロータス車と同様に、ヨーロッパの開発はコリン・チャップマンが指揮を執っていました。レースの現場に立ち続ける一方で、ライトウェイトスポーツを作り続けたチャップマンは、スポーツカーにとって永遠の正義である軽量コンパクトを追求すると同時に、最新の技術を取り入れることも忘れていませんでした。

 エンジンをミッドマウントしたことはその好例でした。また、セブンではスペースフレームで仕上げられたシャシーを使用していましたが、ヨーロッパでは一転し、1962年に登場したエランでノウハウが蓄積されていたプレス製のバックボーンフレームを採用。ロータス・エラン

 もちろんフロントにエンジンを搭載するエラン用とは前後逆で、Y字型の開放部分を後方にして、そこにエンジンを搭載するというものでした。またセブンのサスペンションは、フロントのダブルウィッシュボーンはともかく、スペースフレームの後方にリジッドアクスルを吊ったリヤサスペンションは、スポーツカーを名乗るにはロースペック過ぎました。

 またミッドシップエンジンを搭載することにより独立懸架としやすくなったことからヨーロッパでは、ダブルウィッシュボーン式のフロントに加えて、リヤサスペンションもパイプ製のIアームと鋼板を溶接したラジアスアームでロアを構成。ドライブシャフトがアッパーアームを兼ねるスタイルの独立懸架となっていました。

 このフレームに搭載されたエンジンはルノー16用の1.5L直4プッシュロッド。まさに1980年代半ばに、アイルトン・セナがドライブしF1GPで大活躍したロータス・ルノーの始祖(!?)と言ってもいいかもしれません。ルノー16

 それはともかく、ベースエンジンでは最高出力も55psに過ぎず、ロータスで独自のチューニングを施しても82psと、スーパーカーと呼ぶには気が引けるものでしかありませんでした。それでも、このシャシーに架装されるボディが、コンパクトな2ドア。しかもガラス繊維強化プラスチック、いわゆるFRPで成形されたもので、オリジナルの式型ではサイドウインドウもはめ殺しとするなど、ストイックさを地で行くような内容となっており、車重も700kgを切る超軽量級で、まずまずのパフォーマンスを実現することになりました。

 何よりもハンドリングの素晴らしさが群を抜いていて、ワインディングでの速さはヨーロッパの大きな魅力です。廉価でもドライビングを楽しめるピュアスポーツという、チャップマンの掲げるコンセプトを見事に具現化していました。

漫画「サーキットの狼」の主人公が乗っていたロータス・ヨーロッパ。その影響もあり、当時の子どもたちからはランボルギーニ・カウンタックやフェラーリBBと同じくらい人気があった。ここでは同車のヒストリーを振り返りながら、あらためて魅力について迫っていこう。