シートベルトは本数が多ければ多いほど安全
つまり、シートベルトは2点式より3点式、3点式よりは4点式、4点式よりは、5点、6点、8点式と点数が増えた方がより安全だということだ。しかし、公道で純正の3点式シートベルトをせずに、4点式以上のフルハーネスだけで運転をしていると、シートベルト装着義務違反に問われて減点の対象となる(違反点数は一般道路、高速道路を問わず1点。反則金はなし)。これは一体なぜだろうか。
じつは簡単明瞭で、保安基準に次のように書かれているからだ。
・道路運送車両の保安基準 第22条の2
「運転席と助手席の第二種座席ベルトおよび運転席の第一種座席ベルトは通常の運行時に腰部と上半身を容易に動かせる構造(ELR)でなければならない」ELRリトラクター(自動巻き取り装置)のない4点式シートベルトは、このルールを満たしていないので、公道用のシートベルトの要件をクリアしているとは言えないわけだ。
公道で使用するならある程度の自由度が必要
公道を走る場合、見通しの悪い交差点などで、前かがみになって安全を確認する必要があったり、バックのときに身体を後ろに捻ったり、インパネ部を操作したりする機会がある。そのため、ある程度上半身の自由度がないと支障があるという考えから、ELR付きのシートベルトが必須となったのだろう。
ただ、一部公道を利用するラリー競技では、4点式以上のベルト+3点式シートベルトを併用するルールになっているので、3点式を締めていれば、4点式以上を併用しても違反にはならないことになっている。ちょっと納得いかないかもしれないが、ルールはルールなのでここは規則に従うこと。またルールといえば、モータースポーツの競技用シートベルトには有効期限があるので要注意。
「FIA公認シートの使用期限は、シートのラベルに示される製造年月から5年とする」という規則があるので、JAF公認競技に出場する人は、使用期限のチェックも忘れずに行いたい。