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トヨタはクラウン! 三菱はランサー! 日産のセドグロを追いかけた「初ターボ」搭載車たち

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

日産に続いてターボを導入したのはトヨタだった

 1979年10月、日産が初のターボ車を当時のセドリック/グロリアで市場投入。そこから1年経った1980年10月、日産に次いで市販ターボ車を登場させたのがトヨタだった。すでに日産はブルーバード(1980年3月)、スカイライン(同年4月)を投入済みだったから、日本車の車種でいうと4番目ということになる。

クラウンから始まったトヨタのターボエンジン

 そのトヨタがまず投入したのがクラウン。そもそもトヨタはDOHCを高性能エンジンの“推し”としていたから、当時のカタログでもその扱いは、2.8Lと排気量も大きいフラッグシップの5M系6気筒の次という位置づけ。しかも当時の新しい6気筒の1G-EU型ベースではなく、従来からの6気筒、M型をベースに仕立てられたM-TEU型。スペックは145ps/5600rpm、21.5kg−m/3000rpmと、セド/グロのターボ(145ps/21.0kg−m)とほぼ互角。ツインセンサー付きノックコントロールを備えるほか、4速ATは2.8Lと共通のギヤ比を採用し、静粛性・快適性にも配慮していた。トヨタ・クラウン ターボ

 M-TEU型2Lターボは、ほかにソアラ(1981年6月)、セリカXX(1982年2月)や、マークII/チェイサー/クレスタ(1984年8月)でも展開された。トヨタ・ソアラ2000VR-TURBO

三菱初搭載はランサーEXターボだった

 メーカーで振り返ると、三菱も見逃せない。1981年の第24回東京モーターショーのパンフレットでは“フルラインターボ”を謳っていたほど。排気量でいうと1400、1600、1800、2000、そしてパジェロに搭載の2300ディーゼルとラインアップを充実させていた。三菱のカタログ

 トップバッターだったのはランサーEXターボで、135ps/20.0kg-mを引き出す1.8LのG62B型(シリウス80)ターボを搭載。カタログでは“日本で初めてターボ搭載の飛行機(=昭和8年!)を成功させた三菱が独自に開発した純血ターボ”を打ち出しにしていた。三菱ランサーEXターボ

 一方で小排気量&FF系ではトレディア/コルディアの1600GSRターボ(1982年2月)や、ミラージュIIのG12B型1.4Lターボがあり、ミラージュIIには独自の低燃費に寄与する副変速機のスーパーシフトが組み合わせられていた。三菱ミラージュII

 2Lでは1980年11月、2代目に進化した当時のシグマ/ラムダにG63B型ECIターボが登場。このパワーユニットは、1982年5月に登場し速さと省燃費を両立させた、スペシャルティスポーツのスタリオンにも搭載された。三菱ラムダターボ

マツダはファミリアにターボを設定

 変わってマツダでは、1983年6月にあの”赤いファミリア”のBD型後期で初の1.5Lターボを設定。さらにBF型では1.6LのDOHC・16バルブターボ(1985年10月)が設定され、ネット140ps/19.0kg−mと当時のクラス最強となる性能を発揮。ダブルのリヤスポイラーやレカロシートを備えるアンフィニも設定された。ほかに1983年10月にはカペラに2Lターボが登場。マツダ・ファミリアターボ

 もちろんマツダといえばロータリーターボの存在も忘れられない。まず1982年9月に登場したのがコスモとルーチェ。12A型がターボ化され160ps/23.0kg−mの性能をモノにし、上級の13B型(160ps/20.5kg−m)の性能と並ぶこととなった。マツダ・コスモターボ

 そして1983年9月、マイナーチェンジのタイミングでRX-7にもターボが登場。12A型ながら“衝撃効果向上型タービン”の採用などで165ps/23.0kg−mの性能を発揮させ、RX-7のファンの心を鷲掴みに。当時のカタログには、まるで雑誌の1色ページのような、ビッシリと文字が詰め込まれた解説ページが見開きで割かれている。マツダRX-7

ホンダはシティがターボ初採用モデルだった

 そのほかにも、国産ターボ車というとさまざまなモデルがあった。ホンダ・シティターボもそのなかの1台だ。1982年にまず登場したのは、世界初を謳ったFFの1.2Lターボで、100ps/15.0kg−mの性能を発揮。さらに翌年には、クラス初のインタークーラー、ウエストゲートバルブ付きで新設計の小型高回転型ターボチャージャーを搭載したターボII(通称ブルドッグ)が登場。性能が110ps/16.3kg−mに高められたほか、ブリスターフェンダー付きの迫力あるワイドボディを纏っての登場だった。ホンダ・シティターボ

いすゞはピアッツァやジェミニに設定

 そのほかいすゞにもターボがあった。搭載車種はピアッツァ、アスカ、ジェミニ。ピアッツァとアスカに搭載されたのは2Lインタークーラーターボで、当時の国産2Lガソリンエンジンでは最軽量だった4ZC1型にインタークーラーを用い180ps/25.5kg−mの性能を発揮。いすゞピアッツァにも設定されていたターボ

 パワーウエイトレシオ6.3kg/ps(ピアッツァXS)、0→400m発進加速15.5秒とカタログにも記されている。ジェミニは2代目のFF時代で、イルムシャーに搭載。1.5LでターボモードがHigh/Lowに切り替え可能で、Highが120ps/18.5kg−m、Lowで105ps/16.3kg−mの性能を発揮した。

スバルはレガシィが初のターボモデルだった

 スバルでは、ほかでもないEJ20ターボがある。初出は1989年1月に登場した初代レガシィでRSに搭載。水平対向4気筒DOHCターボで、オールアルミ製BOXER4カム16バルブとし、220ps/27.5kg−mの性能を誇った。大容量水冷ターボチャージャー、水冷式インタークーラーなども採用したパワーユニットだった。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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