ツインカムとDOHCって何が違う? なぜ高性能エンジンにはカムシャフトが2本あるのか (1/2ページ)

ツインカムとDOHCって何が違う? なぜ高性能エンジンにはカムシャフトが2本あるのか

この記事をまとめると

  • 高性能エンジンの象徴的であったDOHCとツインカムは何が違うのか
  • 高効率で高出力を可能にするエンジンの追求によってDOHCが誕生
  • ツインカムの表記は誤解を招くため最近ではめっきり使われなくなった

エンジンの進化過程でSV→OHV→OHCへと発展

 ここで10秒でわかるカムシャフトやバルブの歴史について少し解説してみよう。昔はエンジンの横や下にあったSV(サイドバルブ)という方式がエンジンの主流だったが、その後、現在でもシボレー・コルベットが搭載するカムシャフトがエンジンブロック側で、バルブが頭の上にあるOHV(オーバー・ヘッド・バルブ)が誕生する。サイドバルブエンジンのカットイラスト

 そしてカムシャフトが一番上にあるOHC(オーバー・ヘッド・カムシャフト)、もしくはSOHC(シングル・オーバー・ヘッド・カムシャフト)が生まれ、さらに発展型のツインカムやDOHCへとつながるワケだ。

DOHCが高性能エンジンとされるのはより高効率を実現するため

 そこで現在主流のDOHCエンジンは「何がすごいのか?」であるが、吸気・排気バルブのそれぞれの面積を広げることで、シリンダー内に沢山の空気を取り入れることが可能になり、出力(パワー)を高められるようになるのが大きな特徴だ。いまいちピンときていないようであれば、ひとつのシリンダーにインテーク(吸気)バルブがひとつ、エキゾースト(排気バルブ)がひとつのSOHCと、それがそれぞれふたつのDOHCとでは、どちらがより多くの空気が取り込めて効率がいいかという話になる。もちろんDOHCの方が高効率のためパワーを引き上げることができるようになる。直列4気筒エンジンの燃焼室

 そのため1気筒(シリンダ−)あたりにバルブを4つ設けたとしたら、吸気に2バルブ、排気に2バルブあった方が当然効率が高く、吸気用と排気用にそれぞれ2本のカムシャフトを備えることで、より緻密な制御ができるようになり高性能化できるワケだ。もちろん吸入空気量を増やす機構としては、効果の違いこそあれターボチャージャーやスーパーチャージャーも同じ効果を狙ったものになる。

DOHC16バルブエンジンのイメージカット

V型や水平対向エンジンのDOHCはツインカムとはイコールにならない

 ここでツインカムとDOHCの重箱の隅をつついたような違いに触れると、ツインカムはエンジンに何本のカムシャフトがあるかを示している用語なので、直列エンジンであれば8気筒でも12気筒でも2本だからツインカム(以下、DOHCに統一)。初代NSXのC30A型V6エンジンのカットイラスト

 対してV8エンジンであれば片側(片バンク)2本ずつだから、4本必要でフォーカムとなる。かつてはカタログに4カムと表記したV6エンジン搭載車もあったが、実際には1気筒あたりのカムシャフトは2本なので間違いではないのだが、現在は誤解を招くことがないようにDOHCという表記が一般的となっている。

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