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1人乗りでデビューさせちゃったダイハツの心意気に敬礼! たった5年でも偉大な足跡を残した「ミゼットII」

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: 自工会/Auto Messe Web編集部

生産はハンドメイドだった

 ダイハツのみならず、日本車を代表する3輪トラックの名車といえばミゼットだろう。「街のヘリコプター」をキャッチフレーズにして、高度経済成長を縁の下から支えたモデルと言っていい。そんなミゼットの復活となったのが1996年に登場したミゼットIIだ。ダイハツ・ミゼットII

 それまでに布石はあって、1993年の第30回東京モーターショー、その次の第31回にもプロトタイプが参考出品されている。当時、関係者に聞いたところでは「市販化するかは検討中」とかなり迷っていることが見て取れた。バブルは弾けつつも、まだ景気はそれほど悪くなかった微妙な時代だけに、悩むのも当然ではあった。ダイハツ・ミゼットのコンセプトカー

 結局、モーターショーでの反響も大きく市販化に至ったわけだが、当初はひとり乗りのトラックタイプで、4速MTのみだった。グレードはDタイプを標準として、その下級にBタイプ。上級としてカスタム仕様のRタイプという3つが用意された。ちなみにモーターショーでは3人乗りのミゼットIIIも出品されていたが、こちらは市販化はされなかった。ダイハツ・ミゼットII

オリジナルのイメージを現代流にアレンジして採用

 当初から大いに話題になって、配達などに使われているのをよく見かけた。それは単なる「昔の名前で出ています」ではなく、オリジナルミゼットのイメージをうまく現代流にアレンジして採り入れていたからだろう。ボディサイズ自体がありえないほど小さく、全長2790mm、全幅1295mm、全高1650mmで、ホイールベースも1840mmしかなかった。ダイハツ・ミゼットII

 ちなみに当時、生産はオートメーションではなくて、ベルトコンベアに載せて移動させつつ、ハンドメイドというのが話題になった。これはこだわりというよりも、小さすぎで通常のラインに乗せられないというのがおもな理由だった。

 エンジンは、当時のダイハツ車でお馴染みだったSOHCのEF-CK型で、キャブレターを組み合わせていたのも時代だろう。最高出力は31psと非力だったが、580kgという車重には十分だった。またタイヤ&ホイールは10インチで、ブレーキは全輪ドラムブレーキと簡素なもの。車内は当然必要最小限の余裕しかなく、メーターもスピードと燃料計のみというシンプルさだった。ダイハツ・ミゼットII

地道に進化を続けたミゼットII

 話題になったとはいえ、一見すると一発屋なのだが、ミゼットIIのすごいところは進化を続けたということ。1997年にはそれまでのトラックタイプ(ピックに名称を変更)に加えて、箱型の荷室を載せたカーゴを追加。3速ATを追加しつつ、シフトをコラム化することでスペースを確保して、ふたり乗りも登場した。ちなみにこのときに一部グレードに触媒が装着されるようになった。ダイハツ・ミゼットII

 その後も1997年にはアメリカンなカスタムを施したその名も「アメリカンカスタム」が登場したり、1998年には一部グレードでエアコンが標準装備されている。つまりそれまではエアコンは標準では付いていなかったのだ。

 そして1999年には安全性の向上を目的とした軽規格の改訂が行われたことから、これを受けてミゼットIIも大幅な改良を受ける。まずアイコンだったフロントのスペアタイヤを荷台に移設しつつ、全長を105mm拡大。バンパー内に吸収材を入れるなどして基準をクリアしている。ダイハツ・ミゼットII

 またエアバッグが一部グレードへのオプションながら用意されたり、衝撃吸収ステアリングへの変更もされた。エンジンもインジェクション化されて、燃費もMTで15.8km/Lから20.0km/Lへと向上していた。

 このようにユニークな存在かつキャラクターながら、地道に進化を続けてきたミゼットIIも2001年6月に生産中止となって、約5年の歴史に幕を下ろした。

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