スカイラインだけが「羊の皮を被った狼」じゃなかった! 隠れ「走り系」の一見フツーのクルマたち (1/2ページ)

スカイラインだけが「羊の皮を被った狼」じゃなかった! 隠れ「走り系」の一見フツーのクルマたち

この記事をまとめると

  • 昔も今とは違う個性的なクルマが多かった
  • 見た目は普通でも走ると速いクルマも人気だった
  • “羊の皮を被った狼”的モデルを紹介する

本格スポーツモデルでなくても走りが良かった

 つまり、必ずしもスポーツカーでなくても、クルマを走らせる楽しみ、醍醐味は存分に味わえるという訳だ。乗用車でいうと、軽量コンパクトの利を生かした2BOX系など、それこそそのままでもヒラヒラと山道を走らせられる。歴史を遡れば、さらにその素性を活かして、クラシック・ミニ時代のクーパーとか初代VWゴルフGTIなど、高性能スポーツカーを追い回せるポテンシャルを身につけたクルマもあった。

初代ゴルフGTI

 セダンも同様だ。もともとセダンは実用車の基本であり、いうまでもなく人が快適に移動でき荷物も十分に積めることを目的としたクルマだった。今でこそファミリーカーの主役というとミニバンやSUVにお株を奪われてはいるが、やっぱりセダンはクルマの基本でしょ! と、TVでよく見かける林先生のように強引に語尾を締めて言う人は決して少なくないのでは?

 ところでそのセダンを振り返ったときに思い出されるのが“羊の皮を被った狼”のフレーズだ。あらためて説明するまでもないだろうが、外観はごく普通でありながら、走らせるととてつもなく速い、すごい、楽しいといったクルマのことを指してそう言う。

フツーのクルマでも「GT」は別格だった

 日本車でいうとその元祖は、1964年の日本グランプリでポルシェ904の前を走ったことで一躍注目を浴びたS54B型ニッサンプリンス・スカイラインGTあたり。ノーズを200mm伸ばし、グロリアの6気筒エンジンを詰め込んだクルマで、市販化を望む声に応えて2000GT-B(とGT-A)として量産化された。ノーズの長さこそ明らかにベースの4気筒車とは違ったが、セダンの外観に高性能スポーツカーにも比肩する性能を秘めたクルマの代表だった(写真はそのベースになった2代目スカイライン)。

2代目スカイライン

 さらに、何の変哲もないセダンながら走らせるとすごい、楽しい……というクルマは……というと、トヨタのカローラ/スプリンター、コロナ、カリーナなどのセダンに、ひと頃しっかりと設定のあったGTがある。GT=DOHC搭載車ということだったが、かつてエンジン排気量、スペックでそれとなくヒエラルキーがあった時代に、DOHCといえば一目置かれる存在だった。

カローラGT

 カローラ(スプリンター)でいうと、セダンにGTが最初に設定されたのは1979年登場の4世代目から。搭載したのは1.6Lの2T-GEU型で、いかにも真面目そうな直線基調のセダンのフロントグリルに赤いGTのバッジが輝いていた。続く5代目はFF化された最初のモデルだったが、新世代の1.6LのDOHCだったAE86のそれを横置きとした4A-GELU型を搭載。大人しめのセダンだったが、リヤスポイラー、専用ホイール、赤い文字盤のメーターなどを備えた。セダンのGTはその後も地味な(?)7、8代目でも設定された。

歴代カローラGT

 カリーナも“足のいいやつ”のキャッチフレーズどおり、セダンでもファンな走りを楽しませてくれるクルマだった。このクルマの初期には、セリカと同様に1.6Lと2LのふたつのGTが設定され、最初のFF時代には、スゴ味を効かせたフロントスポイラー装着のGT-Rに1.6L(4A-GTLU型)と2L(3S-GELU型)が用意された。GTはコロナにも設定され、最後のFRだった7代目では、1.8Lのツインカムターボ(3S-GTEU型)も登場させた。GTはアルミホイールやバッジなどで見分けはつくものの、本来は“羊”であるはずのカリーナ、コロナのセダンだが俊足を発揮するところがポイントだった。

カリーナGT

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