カーボンはカスタム好きの必需品! レースでも当たり前となっている定番素材のメリット・デメリット (1/2ページ)

カーボンはカスタム好きの必需品! レースでも当たり前となっている定番素材のメリット・デメリット

この記事をまとめると

  • モータースポーツ業界では当たり前の素材「カーボン」
  • チューニングカー向けにも多くのパーツが用意されている
  • カーボンパーツのメリット・デメリットなどを解説

カーボンにはウエットとドライの2種類がある

 カーボンとは炭素繊維を使った複合素材のこと。まずウエットとドライに大分される。チューニングカーのパーツで多いのはウエットカーボン。カーボン製ボンネットで10~20万円くらいの価格は、まずウエットカーボン製で間違いない。このウエットカーボンはレースの世界のカーボンとはちょっと異なる。

 基本的にFRPの親戚で、FRPはガラス繊維のシートをプラスチック樹脂で固めたもの。ウエットカーボンは炭素繊維のシートをプラスチック樹脂で固めたもので、ほぼ同じものとなる。強度も重さもFRPとほぼ同じ。見た目がいかにも工事中のようなFRPに比べて、美しいカーボンが見えるので見栄えがよく、カーボン柄が見えるようクリア塗装で使うことが多い。塗装してしまったら、ぶっちゃけFRPととくに差はない。価格はガラス繊維よりカーボン繊維が高い分だけ高価になる。

スープラのカーボンパーツ仕様

 対するドライカーボンは、炭素繊維に樹脂を染み込ませたものを重ねて、高温高圧で焼き上げたもので軽量かつ高い強度を持つ。F1を代表とするフォーミュラカーは、現在は多くがカーボン製のモノコックを採用。風呂桶のようなものをドライカーボンで作り、そこにエンジンを載せ、サスペンションアームを生やしているのだ。

レッドブルF1マシン

 その製作には、作るものが入る圧力釜が必要。フォーミュラカーのモノコックを焼くとなると、ちょっとした宇宙船のような大きさの圧力釜が必要になり、その設備コストも高い。カーボンも数多くを積層していくので、製品価格もグッと高くなる。

 しかし、軽量で高強度の素材としての魅力に満ちていて、宇宙産業では必須の素材。打ち上げ時の重量を少しでも減らしたい人工衛星は、ふんだんにドライカーボンが用いられている。ちなみに人工衛星のドライカーボン製造業者によると、自動車のアフターパーツとしてボンネットの製作も行っているが、1枚200万円でも赤字になるほどお金がかかるのだという。

ドライカーボンは高額でも軽量なのが魅力だが

 そんなドライカーボンの魅力は硬さと強さ。同じ強度を出そうと思ったら、金属に比べて圧倒的に軽くできる。なので、チューニングカーでドライカーボン製のドアにすることで、片側20kgもの軽量が可能になったりする。

カーボンボンネット

 しかし、金属に比べると硬さはあるが、壊れるときは割れて折れてしまう。ドアで使うなら、ロールバーからのサイドバーは装着しておきたい。

 GRヤリスではドライカーボンとは微妙に異なるが、カーボン樹脂製のルーフにすることで、クルマの高い位置を軽くした。わずか数kgでも高い位置の軽量化は、振り返すときなどに体感できるほどの効果があるのだ。

GRヤリスのカーボンルーフ

 チューニングカー向けとしては、車種によってはアフターパーツでカーボン製ルーフがリリースされている。注意点としては日常生活には困らないが、屋根の張り替えは事故車扱いになるので、売却時の査定にマイナスな影響がある可能性も。もっとも、そこまでチューニングしていたら、チューニングカーとしてパーツも含めて評価してもらえるとプラス査定も期待できるが……。

アフターパーツのカーボンルーフ

 同じようにボンネットも比較的高い位置にあり、面積が大きく交換することで効果が表れやすい。こちらはそれほど剛性は関係ないのと、ウエットカーボンでも純正の鉄製ボンネットに比べれば遥かに軽いので、ウエット製の安価な製品も多数リリースされている。

 鉄製ボンネットに比べるとウエットカーボンにしても、ドライカーボンにしても軽量化効果としては10kg以上あった。しかし、最新のアルミ製ボンネットが標準だと、もともと軽いのでその効果は数kgだ。

 バンパーやディフューザー、ウイングなどエアロパーツはドライカーボンで製作されることが多い。軽量で強いので大きなエアロ形状でも軽く仕上げやすい。また、その強さが大きなダウンフォースに負けずにボディを押さえつけてくれる。

軽量化など多くのメリットがあるカーボン。F1などモータースポーツの最高峰でも当たり前の素材となっており、チューニング業界でも定番アイテムと化している。そんなカーボンのメリットと、デメリットはどんなものがあるのだろうか? あらためて解説したい。