「GT-R」や「Z」のように名車の称号を継承できず! 「NSX」が世代交代に失敗した理由 (1/2ページ)

「GT-R」や「Z」のように名車の称号を継承できず! 「NSX」が世代交代に失敗した理由

この記事をまとめると

  • 1990年に華々しくデビューした国産初のスーパーカー「NSX」
  • モータースポーツでも活躍し、初代「NSX」は大成功を収める
  • HV化した2代目NSXは2022年12月をもって残念ながら販売終了に

ユーザーに寄り添った初代NSXは大成功を収める

 かねてより近年のスポーツカーやスーパーカー、ハイパーカーのビジネスは難しいと言われているが、なぜホンダはNSXブランドを構築することができなかったのだろうか? まず考えられるのは、初代のデキが素晴らしかったこと。NSXのために専用の工場まで新設して生産されたモデルは、高性能な横置き3.0L V6のVTECエンジンの搭載や、前述した量産車世界初のアルミ合金ボディによる軽量化(1350kg)、さらに優れた耐久性も誇った。3.0L V6 DOHC VTECのC30A型エンジン

 またタルガトップや3.2Lエンジンの追加、タイプSやタイプRなどのスペシャルなモデルも投入したことで、鮮度を落とすことなく次々に魅力的なモデルを世に送り出した。また、高性能なスポーツカーであっても、日常の市街地走行でも普通に扱える素晴らしさは、欧米のスポーツカーメーカーをも慌てさせるほどの実用性も兼ね備えており、4速ながらトルコンAT仕様も設定。日本初の本格スーパースポーツとしては破格の800万3000円(5速MT車、税抜き)というバーゲンプライスも魅力であった。初代NSXのAT車のコクピット

 その意味では、NSXはスポーツカーの民主化を果たしたモデルとも言うことができる。見た目も走りもスーパーなのに運転がしやすくて扱いやすく、サーキット走行もしっかり堪能できるスペックを誇り、毎日使えるアシ代わりにもなるクルマであった。さらに発売から3年後にはリフレッシュプランが用意されるなど、購入したオーナーを大切にするおもてなしの姿勢が、多くのファンの心を惹きつけたとも言える。NSXのリフレッシュプラン

GT-RやZは国内外のファンから根強い人気を誇る

 初代に限って言えば、NSXが後世にまで語り継がれるべき日本を代表するモデルの1台であることは間違いないのだが、ホンダはなぜNSXというブランドを構築することができなかったのだろうか? そこで国内のライバルたちのブランディングを検証してみたい。

 日産のGT-Rはスカイライン時代からの綿々と続く歴史があり、第一世代や第二世代、そしてスカイラインから独立してGT-Rとなったわけだが、1957年に登場したプリンス・スカイラインからの長い歴史がある。

R35GT-Rの2011年モデル

 これはフェアレディZも同様で、昭和の時代からスポーツカーとして北米を中心に海外でも人気が高い。この両者には古くからコアなファンが多く、まさに日本を代表するスポーツカーであった。歴代フェアレディZ

 それは現行型GT-R(R35型)も同様で、2007年のデビューから改良が頻繁に行われ、スカイラインGT-Rを含む、歴代GT-Rのなかでもロングライフのモデルとなっている。ちなみに現行型GT-Rの初期モデル(標準仕様)は車両本体価格777万円(税込み)で発売され、初代NSXよりもさらに安い価格で販売された。もちろん、改良が加えられるたびに価格は高額になり、今では1082万8400円〜1463万6600円(特別仕様車を除く、税込み)となっている。しかしスポーツカーは進化し続けることが重要であり、それにともなう価格の上昇は決して批判されることではなく、進化=高性能化に対する正しい対価と考えることができる。

 これはフェアレディZも同様で、新しく発売される新型の特別仕様車「Proto Spec(プロトスペック)」の価格は696万6300円(税込み)となっている。ちなみに2008年発売のZ34型フェアレディZの初期モデルが362万2500円(標準仕様、税込み)であったことを考えると割高な印象を受けてしまうが、やはり進化した分だけ価格が上がるのは致し方ないのだ。

新型フェアレディZのフロントスタイル

 ちなみにNSX、GT-R、フェアレディZの各モデルのキャラクターは三者三様だ。R35GT-Rはスーパーな2ペダル専用マシンで、強大なパワーとトルクを自慢のフルタイム4WDでねじ伏せるそんなイメージがある。対してフェアレディZは新型にも3ペダルMTの設定がある。販売台数こそ少ないかもしれないが、国内外のファンから根強い人気を誇るピュアスポーツカーだと言える。

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