日産初のFFって考えると何気にスゴイ! もうちょい評価されてもいい「マーチ」のご先祖「チェリー」とは (1/2ページ)

日産初のFFって考えると何気にスゴイ! もうちょい評価されてもいい「マーチ」のご先祖「チェリー」とは

この記事をまとめると

  • 日産初のFFモデルだったチェリー
  • サニーと共通したエンジンを搭載
  • 2代目まで進化しマーチなどにDNAは受け継がれる

サニーと同じパワートレインを横置き搭載しFF化

 1970年といえば世の文化的には若者の間で(などと書きながら筆者はもっと子どもだったのだが)ヒッピーとかサイケデリックが流行していたころで、まさしく“ナウなヤング”がターゲットだった。“走る機械から着るクルマへ”とカタログには記されている。

 そして実車だが、搭載エンジンが1000ccと1200ccの2本立てという点では同世代の2代目サニーと共通だった。ただしチェリーは日産車初のFF車として登場、エンジンは横置きとしていた点がサニーとの相違点だった。エンジンはのちに名機と言われたA12型およびA10型。4サイクル水冷頭上弁式(OHV)で、当時のカタログの諸元表にはA12型が“SUツインキャブレター、A10型は“2連式気化器1コ”と書かれている。ちなみにこのA12型はチェリーの高性能シリーズとして用意された“X-1”に搭載されるもので、80ps、デュアルエキゾースト、5ベアリング式で最高速160km/h、0→400m17.3秒との記述がある。

FFなどの解説

 そしてFFについての説明も入念だ。FWDをフロント・ホイール・ドライブと丁寧に説明した上で、“F.W.D.方式は車が進む方向にむかって引っぱるように駆動力がはたらきます。正確で安定しきった走行を示す、最も理にかなった駆動方式といえるわけです(カタログの文面より)”とも記してあり、FFをいかに理解してもらうかに注力が払われていたことが伝わってくる。“440万km耐久テスト、走りも走ったり地球110周!!”と、新しいメカニズムでも何ら心配は要りませんよ……ともアピールしている。

 メカニズム系の話の流れで言うと、サスペンションはフロントがストラット式、リヤがトレーリングアーム式の4輪独立懸架が奢られていた。“ぴたりと路面にすいつく抜群の安定性。高速時代にふさわしい最も高度な機構です”とカタログには記されていて、HSS(ハイ・スピード・サスペンション)なる呼称も与えられている。ステアリングはラック&ピニオンで、これも“高速走行中の安定感も無類”“スポーティな切れ味のよさも大きな特徴”と説明がある。

コンパクトカーを中心に、今や多くの車種が採用している駆動方式のFF。日産のFF第1号は、個性的なルックスが特徴的だったチェリーだ。兄弟車といえるサニーとパワートレインを共有し、アレンジしてFF化した。そんなチェリーの初代と2代目を、カタログを交えて振り返る。