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「グランピングなんてアウトドアじゃない」派に待った! キャンプ歴30年のガチ派が体験したら目から鱗だった

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TEXT: 並木政孝(NAMIKI Masataka)  PHOTO: Auto Messe Web編集部/写真AC

  • お洒落なグランピング

  • グループキャンプ
  • お洒落なグランピング
  • 高級リゾートのようなグランピング
  • 竹林に包まれたグランピング施設
  • 野営キャンプ
  • ホスピタリティ充実のグランピング

キャンプも多様化時代! 自由を楽しむも不自由を楽しむもアナタ次第

 今やキャンプは国民的な趣味となり、週末になるとキャンプ場は大きな賑わいをみせている。キャンプが市民権を得たようで嬉しい反面、混雑するブームに困惑している人も多いのではないだろうか。キャンプは十人十色の楽しみ方があり、キャンプサイトを観察して見ると、皆が同じような道具を並べ、同じようなスタイルで楽しんでいた1990年代に吹き荒れた第一次キャンプブームのころとは違った“多様性”を感じることができる。ソロキャンプ

 古くからキャンプを楽しむ人たちのなかには「キャンプは不自由を楽しむもの」という不文律があり、バックパックに収まる最低限の道具で非日常を楽しむというスタイルも存在する。また、忙殺される日常から脱出して自然のなかでノンビリと過ごす人、道具にこだわるギア愛好家、家族や仲間との時間を大切にする人、自分自身に向き合うソロキャンパーなど、キャンプのスタイルは人の数だけ存在するといっても過言ではない。グループキャンプ

 もちろん、どれが正解という答えはなく、それぞれに楽しめるのがキャンプの魅力でもある。そんな多様化するキャンプに新たなカテゴリーとして登場したのが『グランピング』だ。その語源は豪華なことを意味する「グラマラス」と「キャンピング」とした造語だが、このグランピングをキャンプとしてカテゴライズすることに異議を唱える人も多い。元々、キャンプとは「野営」や「露営」などの意味があり、過酷な軍隊生活での宿営をイメージしていることからすれば、グランピングはキャンプとはもっとも離れた位置に存在するスタイルであることは間違いない。

映えを楽しむグランピングにはふたつのタイプが存在する

 話題のグランピングは大きく分けて2種類が存在し、自分のテントサイトをゴージャスに飾るセルフグランピングと、ホテルなど宿泊施設の延長線上にあるグランピングだ。前者はキャンプの進化版ともいえるのだが、後者は「果たしてキャンプなのか?」という疑問符が頭に浮かぶ。

 最近では有名ホテルチェーンだけでなくグランピングを専門に手掛ける企業が台頭し、地方自治体が遊休地や観光地を活用して参入するなど、地方創世の活性化を狙った動きも見せ始めている。その実態はゲルやパオを思わせる豪華なテントに、ホテル並みのホスピタリティを組み合わせ、快適な空調に加えてシャワーやスパなどが用意されていることも多い。ホスピタリティ充実のグランピング

 スタッフが用意してくれた豪華な食材を用意されたBBQ(バーベキュー)コンロでいただいたり、なかには出張シェフが調理してくれるサービスまでもが存在するという。ここまでサービスが行き届くと、これはキャンプではなくリゾートのカテゴリーであり、アウトドア感覚が楽しめるテーマパークホテルでもある。

キャンプ歴30年のベテランキャンパーが見たグランピングの世界とは

 雑誌の取材で訪れたグランピング施設は、海が一望できる小高い丘の上にあり、青々とした芝生が敷かれた余裕のあるサイトに豪華なトレーラーハウスが並べられた姿は、まるで南国のリゾート地のようであった。部屋にはエアコンが完備され、豪華なベッドはフカフカでトイレと浴室を個別に用意。大きなタープの下には大型のキャンプグリルが常設され、予約をしておけば運び込まれた豪華な食材でBBQが楽しめる。高級リゾートのようなグランピング

 正直な話、それまでのボクは「キャンプの醍醐味は不自由を楽しむべき」という不文律に支配されていたのだが、この快適性を目の当たりにしてしまうと“不文律”は十万光年の彼方へと吹き飛んでしまい、「これはこれで、あり!」という気持ちになってしまった。

 着替えとパジャマだけを用意すれば、キャンプ道具を満載にして目的地へと向かうこともない。イメージとしては「ボストンバッグを片手にオープンカーでグランピング施設に乗り着ける」、そんな絵に書いたようなセレブな姿を想像してしまう想像力の貧困さに凹んだのはここだけの秘密。

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