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ただの金持ちじゃ手に入らない! フェラーリが顧客を選ぶ究極のプログラムが存在した

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典/Ferrari

  • 「FXX」から始まったフェラーリの専用プログラム

  • 2015年に富士スピードウェイで開催された「フェラーリ・レーシング・デイズ」にて
  • 2015年はFXXと599XXが走った
  • エンツォフェラーリより空力を強化し軽量化していたFXX
  • ダウンフォースはエンツォの4割増し
  • シューマッハのための30代目のFXX
  • 599XXはベース車両より400kgも軽量化していた
  • エアロデバイスが強化された599FXX Evo
  • 2017年に登場したFXX K Evo
  • 総出力は1050ps
  • XXプログラムは現在も行われていて、写真は2021年ニュルブルクリンク

車両&メンテ代だけで約2億円、追加エアロでさらにウン千万円

 サーキット走行専用車の価格と、各種メンテナンス代で2億円(推定)。新しいエアロパーツが追加されると、さらに3500~4000万円ぐらい(これまた推定)支払うと聞いて、皆さんはどんなクルマやプログラムをイメージするだろう?

 じつはコレ、フェラーリがトップ顧客向けに2005年から展開していた「XXプログラム」を楽しむために必要なコストである。推定金額は筆者が取材していた初期のころのものなので、後年は、もっと高価だったはずだ。

「フェラーリがお客を選ぶ」究極の限定車

「XXプログラム」とは、フェラーリのレース部門である「コルセ・クリエンティ」によるサーキット走行専用車開発計画のこと。その目的は、フェラーリの顧客を代表する超富裕層のオーナーがクローズド・コースをドライブすることで得られたデータを、将来の市販モデル開発時に役立てることだった。レースを楽しむのではなく、ドライビングレッスンのようなカリキュラムだった点がポイントで、購入したサーキット走行専用車でレースに参加することは不可とされた。

 2億5000万円ぐらいをポーンと払える超富裕層のオーナーがサーキット走行専用車を購入するわけだが、お金があれば誰でもゲットできるわけではなく、フェラーリ側が選んだ一部のオーナーのみが、データ採取目的の贅沢すぎるクルマを買うこと&XXプログラムに参加することを許された。

2015年に富士スピードウェイで開催された「フェラーリ・レーシング・デイズ」にて

フェラーリ・ファミリーの一員として超VIP待遇

 しかも、購入したサーキット走行専用車の保管やメンテナンスをコルセ・クリエンティが引き受けてくれるので愛機は手元にない。超富裕層のオーナーが走らせたい日時とサーキットを連絡すると、コルセ・クリエンティのスタッフとマシン、そして、必要な機材一式がイタリアから届き、存分に走れるというシステムだったので、「そうだ、明日、走りたいな……」と思っても無理なのであった。

 とはいえ、ヘルメットとレーシングスーツとグローブとシューズだけを持って、ヘリコプターなどでサーキットに行けば、気が済むまで走ることができる。「疲れたから、そろそろ帰るかな?」と思ったらコルセ・クリエンティのスタッフが後片づけまで担当し、何もすることなく愛機をそのままにしてふたたびヘリコプターに搭乗すればOKだったので、必要となるコストは莫大だが、その気軽さは画期的なのであった。

 そして、フェラーリ・ファミリーの一員としてテストドライバーのような気分を味わうことができたので、2億5000万円ぐらいの価値は十分あったということだろう。

2015年はFXXと599XXが走った

 サーキットにはテレメトリーシステムが持ち込まれ、サーキット走行専用車の状態をリアルタイムでチェック。超富裕層のオーナーは走行後にインストラクターから正しいラインどりなどのレクチャーを受け、ドライビングテクニックを磨くことができた。

XXプログラムは現在も行われていて、写真は2021年ニュルブルクリンク

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