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ホノボノ感に感動! 「どこでもドア」を標榜したゆるキャラSUV「日産ラシーン」

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

普段使いにもいいスタンスがとれるクルマだっ

 実車は当時のサニー/パルサー系をベースに、FFをメインにビスカスカップリング方式の4WD車も設定された。搭載エンジンは十分な性能を発揮する1.5LのEGIタイプ。乗り味は見た目どおりのサラッと爽やか、軽快なものだった。

 インテリアはセダン同等の着座位置で、サッと自然な所作で乗り込めた。ベンチシートではなかったが、楽な姿勢で乗っていられ、少しレトロなスッキリとしたメーターパネルのデザインもノイズが一切なく好感がもてた。

 それと何よりも好印象だったのが、クラスレス、タイムレスのプレーンなスタイリング。余分なキャラクターラインは一切なく、スクエアではあったが大きくかけられたボディ側面のRや優しいカドRが、ただのバンとはひと味違う趣を出していた。

 ホワイト、ペールグリーン、イエロー、ダークブルーのボディカラーも気の利いた色合いで、ほどよくお洒落な道具感を演出していた。既存のクルマで強いていえばジープ・チェロキーに通じるスタイリングは、とにかく気取らず、普段使いにもいいスタンスがとれるクルマだった。

 途中のマイナーチェンジでは、エンジンに1.8L、2Lの設定が加わり、4WDがビスカスカップリング方式のATTESAになるなどした。2Lは1998年に登場した“フォルザ”に搭載されたもので、このモデルは丸型4灯ヘッドライトをもち、オーバーフェンダーにより全幅が1720mm(標準車は1695mm)に拡幅。リヤクォーターとリヤまわりに専用のデザインが与えられ、よりRV色を打ち出したモデルになった。ちなみにこの時、ドラえもんに代わりムーミン(とスナフキン)が新たなキャラクターとしてカタログに登場している。

 かつてのクルマ、それも日本車というと、どうしてもヒエラルキーで価値が語られるような側面があった。そういう煩雑な事情とは無関係でいられる自由さが、このクルマ、ラシーンの魅力なのだった

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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