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200台限定車がたった8台しか売れなかった……悲しすぎるクルマ「ムエット」って何者?

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TEXT: 小鮒康一(KOBUNA Koichi)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

2代目の日産キューブをベースにピックアップ化したモデル

 台数限定の希少なモデルと言えば、多くが発表とともに注文が殺到し、瞬く間に完売となるイメージが強い。だが、その一方で話題にはなったもののフタを開けてみればほとんど売れなかったという、不遇な限定車も存在している。そんな不遇の限定車の1台が、2006年4月に200台限定で販売された「ムエット(muetto)」だろう。

 このモデルは横浜市内の製造業者を中心に、デザイナー、商業者など20あまりの市内企業、団体が参加・協力して構成された官主導型グループの「ハマワザ(hamawaza)」が、横浜発の新しい商品を開発しようとする企画の第1弾としてリリースされたものだった。日産キューブベースのムエット

 ムエットという車名はカモメのフランス語が由来となっており、それを読みやすいローマ字表記としたもの。この辺りも横浜のイメージを持たせたものと言えるだろう。日産キューブベースのムエット

 ベースとなったのは、フロントマスクからも分かるように2代目の日産キューブであるが、リヤセクションを荷台とするピックアップ化がなされているのが最大の特徴。この改造を請け負ったのは横浜に本社を持つ高田工業だった。日産キューブベースのムエット

 高田工業といえば、日産のパイクカーであるBe-1、パオ、フィガロの委託生産などで知られる特殊少量生産車の雄であり、ムエットは2代目キューブの中古車をベースに制作されていた。

 この中古車の手配と販売を担当したのが、同じく横浜を本拠とする日産ディーラーの神奈川日産自動車。カモメのマークを模したグリルは、横浜のデザイナーが担当している。横浜にも工場を持つブリヂストンから当時発売前だった新ホイールの提供を受け、近沢レース店からはキーケースやクッション、皮革製品のキタムラからはキーホルダーやドライビングシューズがリリース。まさに横浜を拠点とする多くの人々が関わった渾身の1台だったのである。日産キューブベースのムエット

 発表記者会見には当時の横浜市長も姿を見せるなど、渾身の1台となっていたムエットだが、価格が中古車のベース車価格+119万8000円と高額だったことや、ベースとなる中古車を選んでから手作業で改造が始まるという納期の問題が……。そしてなにより2シーターピックアップというユーザーを選ぶボディタイプであったことなども相まって、実際の販売実績はなんとわずか8台となってしまっていた。日産キューブベースのムエット

 架装を手掛けたのはあの高田工業であることからも分かるように、車両の完成度自体は非常に高いものとなっている。気になる人は根気強く中古車情報をチェックしてみるのもいいかもしれない(執筆時点で1台中古車物件が掲載されていた)。

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