かつて高性能車の証だった「ダブルウイッシュボーン」! スポーツカー小僧の心をときめかせたサスペンションの過去と未来 (1/2ページ)

かつて高性能車の証だった「ダブルウイッシュボーン」! スポーツカー小僧の心をときめかせたサスペンションの過去と未来

この記事をまとめると

  • サスペンション形式のひとつ「ダブルウイッシュボーン」
  • 上級サスの代表格といったイメージでスポーツカーなどに採用
  • 解析技術の発達によって進化型も出現してきている

高剛性としなやかな動きが特徴のサスペンション形式

 そもそもダブルウイッシュボーンとはどういった特徴があるのかというと、アルファベットの「A」の形をしたアームが上下にふたつあるからダブルとなり、Aアームの形が鳥の叉骨(さこつ)=「ウイッシュボーン」に似ているからこの名称となっている。ちなみにシングルのウイッシュボーンサスというのもあるが、結局はアームがひとつのストラット式となる。

 いわゆる独立懸架式になって、特徴はまずボディ、ハブの上下で締結されているため、剛性が高いということがある。また性能的にはコーナーなど、ロールしたときの路面への追従性がよく、段差などの入力に対しても、しなやかにいなすことができる。ただ、これはダブルウイッシュボーンだから必ずそうなるというわけではなく、アッパーアームを短く、ロアアームを長くしない(不平行不等長)とダメ。同じ(平行等長)にするとキャンバー変化が大きくなって、追従性などは逆に悪くなってしまう。

 このようにコーナリング性能を高められるため、スポーツカーやレーシングカーによく採用されるサスペンション形式というイメージがあるわけだ。デメリットとしては、構造が複雑になって構成部品も増えるので、コストがかかることと、上下にAアームが付くので、スペースを取ること。また、重量がかさむというのもある。

2代目マツダロードスターのダブルウイッシュボーン

「2000GT」や「NSX」といったスポーツカーを象徴する単語

 このように上級サスの代表格といったイメージのダブルウイッシュボーン。採用はけっこう古くて、戦後まもなくに登場したトヨペットSA型のフロントに採用されたのが日本車で最初とされている。ただ、その後はスポーツカー、スポーツモデルの代名詞として多くのクルマに採用されている。

 たとえば1960年代ではトヨタ20000GTが採用しているし、1980年代になると数え切れないほどだ。また、大きな上下アームを装備するという欠点を克服すべく、アームの数を増やしつつ、それぞれは小型化することでスペースの問題を克服した「マルチリンク」は、ダブルウイッシュボーンの進化型とも言えるだろう。ちなみにダブルウイッシュボーンはトヨタ、ホンダが好み、マルチリンクは日産が好むといったイメージがある。

トヨタ2000GTのシャシー構造

 ホンダの場合、ダブルウイッシュボーンでもユニークなスタイルを実用化している。ダブルウイッシュボーンはスペースが必要ということは紹介したが、FFの前輪ではこの点で厳しい。1982年のプレリュードでは、アッパーアームの形状を工夫することで省スペース化に成功して、世界初で市販化している。さらに世界初でFFで前後ともダブルウイッシュボーン化したのが1985年に登場したアコードだ。またNSXではアルミ製のダブルウイッシュボーンを採用している。

2代目プレリュードのフロントに採用されたダブルウイッシュボーン

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