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戦前にまさかの432km/hを達成! 1930年代ベンツのシルバーアロー伝説が圧巻

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TEXT: 南陽一浩(NANYO Kazuhiro)  PHOTO: Mercedes-Benz

  • 1930年代とは思えないほど進化していたベンツの空力マシン

  • 1934年登場のレースカーW25
  • 1935年のグランプリで勝ちまくった
  • 1934年にW25で317.5km/hをマーク
  • 1936年のW25ストリームライナーは372.1km/hを達成
  • 1936年のW25ストリームライナーは372.1km/hを達成
  • 1937年W25ストリームライナーのレース仕様
  • 1938年に432.7km/hを達成したW125ストリームライナー
  • ポルシェ博士が開発したT80
  • ポルシェ博士が開発したT80

メルセデス・ベンツとアウトウニオンが戦前に繰り広げた最高スピード競争

 つい先頃182億円で落札された「300SLウーレンハウト・クーペ」や、いまになって再注目のGT1ホモロゲ・モデル「CLK GTR」など、理性を超えたマネーが飛び交う超貫禄級スーパースポーツをさかのぼり始めたら、止まらないのがメルセデス。その原点となった一台といえるのが、1930年代に活躍した一連の「W25」だ。

「シルバーアロー伝説」はW25から始まった!?

 W25は1934年、当時のグランプリに出走するためのフォーミュラカーとして、タイヤや燃料、オイルなどを抜きにして重量750kgとする当時のレギュレーションに照準を定めて開発された。当初のシングルシーター仕様に搭載されたのはスーパーチャージドのV8・3.36Lエンジンで354ps仕様だった。

1934年登場のレースカーW25

 同年のアイフェル・レンネンことニュルブルクリンクのレースでW25はデビューを飾るが、なんと出走前の車検で規定重量を1kgオーバーしていることが判明。かくしてレース前夜、メカニックがボディ塗装をヤスリで削ってマイナス1kgを稼ぎ出し、W25はレース本番にアルミの地肌剥き出しのボディで現れた……というのが、かの有名なシルバーアロー伝説の始まりとされるが、どうもこれは後世の脚色らしく、それより以前にアルミ剥き出しのメルセデス製グランプリカーがすでにシルバーアローを名乗っていたという説もある。

 いずれにせよ、このデビュー戦でライバルのアウトウニオン・タイプAに1分20秒もの差をつけて衝撃のデビューウィンを飾ったW25は、伝説化して語らずにいられない存在だったということだ。

1935年のグランプリで勝ちまくった

グランプリで勝ちまくったW25で最高速チャレンジ

 1935年にW25は欧州の主要なグランプリ10戦中9勝という手のつけられない強さを見せた。翌1936年は、エンジニアにフェルディナント・ポルシェ博士、エースドライバーにベルント・ローズメイヤーを擁したアウトウニオンの後塵を拝するが、独裁政権下でイケイケだった当時のドイツ2大メーカーの争いはサーキットだけに止まらなかった。完成したばかりの高速道路、つまりアウトバーンにおける最高速が盛んに競われたのだ。

 W25はまず1934年、M25Bという82×94.5mmのボア・ストローク比をもつ4L・430psのV8スーパーチャージドを積み、アヴス次いでブダペスト近くのギオンで、それぞれ311.98km/hさらに317.5km/hを記録した。

1934年にW25で317.5km/hをマーク

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