GT-Rのプロが考える! サーキットもストリートも走れる「いいクルマ」の作り方 (1/2ページ)

GT-Rのプロが考える! サーキットもストリートも走れる「いいクルマ」の作り方

この記事をまとめると

  • プロショップ「MCR」小林真一代表の愛車R35を紹介
  • サーキット専用ではなくストリートに軸足を置く仕立て方
  • 絶対的なパワーの数値ではなくフィーリングを重視して作る

クルマが良くなるなら徹夜の作業も惜しまない!

 チューナーが日頃から足として使っている愛車は、ショップのカラーを打ち出さなければいけないデモカーとは一線を画すケースが多いものだ。

「でも自分は違います。趣味と仕事は単純には分けられません。うちは競技車両を製作しているのではなく、普段使いも快適にこなせるストリートカーを仕立てています。だから街中をまともに走れないクルマはデモカーにはしません。愛車とデモカーは常にオーバーラップしています」と『MCR』の小林真一代表。

 もともとはクルマと関係のない仕事をしていて、趣味のクルマが生活の大半を占めるようになったのでMCRを立ち上げた。そんな経緯を知れば、デモカーと愛車を分けて考えられないという言葉にも納得できる。クルマが良くなるなら徹夜作業も苦にならない。人生をクルマに捧げている男だ。

GT-RプロショップMCR小林真一代表の愛車との付き合い方

「2020年末に懸案だったブレーキ関係の対応策を思い付いたので、どうしても試したくてサーキットに行きました。12月31日ですよ。家の用事もしなくてはいけない師走なのにサーキットを走り回り、挙句の果てに予想と違っていましたからね。力が抜けました。こんなことばかりです。仕事としては成り立たないでしょう」

 確かに趣味も含んでいるからできるのかもしれない。だから余計に貴重だ。仕事を越えた領域でなければ掴めない知識こそがMCRの財産。

レーシングカーではなく純正然とした上質メイク

 現在の愛車はメインとなるR35GT-R NISMO、リーズナブルに走りが楽しめるZ34、そして還暦を過ぎたら楽しもうと準備したR34スカイラインGT-Rの3台。年末に走ったのはZ34だ。 

「デモカーとしても活用しているR35はショップ対抗のサーキットバトルでは1番や2番は取れません。ユーザーに推奨しているストリートの延長でサーキットも走れるという仕様ですから。内装を取っ払って、大きなウイングを付けたクルマには敵いません。タイムを追求することはレーシングカーに任せておけばいいじゃないか、という考えです」

 そんな小林代表ではあるがR33が現役だったころはタイムを重視していた。内・外装共にかなり過激に仕立てていたという。パワーの大きさ、それにゼロヨンや最高速の数字が重視された時代だ。そんな流れに乗らざるを得なかった。

「今のようにストリートに軸足を置くようになったのは『マインズ』さんの影響がかなり大きいです。それにはGT-Rマガジンも大いに関係がある。平成15(2007)年9月に富士スピードウェイで開催されたR’s Meetingでのマインズとの対決企画。この真剣勝負がきっかけです」

GT-RプロショップMCR小林真一代表の愛車との付き合い方

 R34で1周のタイムを競う戦いは、2台のために本コースを1時間借り切った贅沢な企画だった。マインズのドライバーは桂 伸一氏で、MCRはもちろん小林代表自らがアタック。R34時代はかなりストリートに振った仕立て方になっていたが、マインズはその上を行っていた。どちらも見た目はノーマル風だが、見えない部分に手を加えている。

 2度アタックし合って負けて、最後に車高を数ミリ下げた微調整を行うことで幸運にも0.2か0.3秒の僅差で勝てた。しかしマインズの外観はノーマルだがMCRは大きめのリヤウイングを装着。小林代表はウイングなしでは負けていたはずだと言う。そこまで徹底したマインズのノーマル志向に感化されたのだ。

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