記念すべきパイクスピーク100回目の決勝はまさかの悪天候! 日本人ドライバーは無事に完走を果たす【第100回パイクスピーク】

記念すべきパイクスピーク100回目の決勝はまさかの悪天候! 日本人ドライバーは無事に完走を果たす【第100回パイクスピーク】

別名「雲に向かうレース」、ゴールは終日雲の中

 2022年大会で100回目の記念大会となるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムが6月26日、無事に開催された。インディ500(インディアナポリス500マイルレース)に次ぐ、世界で2番目に長い歴史を持つこのレースは、アメリカ・コロラド州にあるパイクスピークという標高4301mの山を舞台に、誰がこの山を一番速く駆けあがることができるかを競うヒルクライムイベントである。

 そのパイクスピークに上るための取り付け道路である、観光登山道路「パイクスピーク・ハイウェイ」を使用する。その登山道路の途中に設けられたスタート地点から、頂上のゴールまでのコース全長は約20km。スタート地点の標高が2862mで、1439mの標高差を駆けあがることとなる。高度が上がるにつれ空気は薄くなり、エンジンの出力もダウンしていくこのコースでは、頂上のゴール付近では約30%の出力ダウンを余儀なくされる。もちろんEVにはそういったことはない。

 コースはダートのイメージも強いが2012年には全面舗装されており、スリックタイヤを装着してアタックする車両もいる。歴代最速タイムは2018年にフォルクスワーゲンが持ち込んだ電気自動車I.D..R.(ドライバーはロマン・デュマ選手)の出した7分57秒148となっている。

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第100回大会のパイクスピークヒルクライムが終了画像はこちら

決勝前に雪も降り霧やウエット路面など生憎のコンディションに

 その記念大会は、事前に行われた練習走行および予選セッションは無事に好天の下で行われたが、決勝レース日の前夜から山にかかった雲は、山全体に雪を積もらせる結果となった。そして決勝レースでは、ロアセクションは霧とウエット路面、ミドルセクションは晴れ間とドライ路面、アッパーセクションはふたたび濃い霧とウエット路面という、3つのコースコンディションに大きく変わった中で行われることとなった。

 それでもこのパイクスピークの記念大会はコロナ禍明けということもあって、決勝日のチケットはもちろん、各練習走行日の観戦チケットまでも売り切れという大盛況ぶり。決勝を前にした6月24日(金)夕方からのパイクスピークの地元の街であるコロラドスプリングスのダウンタウンで恒例のファンフェスタも開催されたがこちらも大盛況であった。

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 今年の予選は、2番手のコーディ・ワショルツ選手に23秒差という圧倒的なタイムで予選トップ(3分24秒519)を出したアンリミテッドクラスのロビン・シュート選手(#49 2018年式Wolf TSC-FS/10分09秒525)が、見事3度目の山の男の称号を手にすることとなった。

#49 2018年式Wolf TSC-FS画像はこちら

 トヨタGT86で参戦を続け、昨年からEVのテスラモデル3に乗り換えて挑戦を続けている吉原大二郎選手(#89 2018年式テスラモデル3/11分06秒205)。

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「今年は大きなトラブルもなく(昨年は決勝出走直前に車両が原因不明のセーフティモードに入ってしまっていた)、ただほかのマシンに比べるとパワー不足感はあったんですが、このウエット・コンディションのほうがタイム差がなくなる分有利だったかな、というところで、成績を見れば晴れているよりはよかったかと思います。今回はレジェンドであるロッド・ミレン選手と一緒のレースを走れたこと。そしてそのロッド選手のコンマ1秒落ちくらいのところにつけていて、スコアボードの真下に名前を並べられたことが個人的にはたまんないですね」とコメント。

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 大井貴之選手(#234 2021年式日産リーフe+改/13分37秒568)は、日産リーフe+をベースにSAMURAI SPEEDが仕立てた1台。セミパイプフレームのシャシーに、大王製紙の地球にやさしい素材であるナノセルロースファイバーをボディカウルに使用して作り上げている。「天候が不安定で、マシンも熟成途中だったこともあり、まずは不測の事態を招かぬよう、今回の目的である”完走”を第一に走りました。コースに慣れてきたこともあり、次の機会があれば、思いっきり走ってみたいと思います」とコメントしている。

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