フランスの実用車なのに走りも楽しくてカワイイ! ルノー・カングーが日本のアウトドア派に愛される理由とは (1/2ページ)

フランスの実用車なのに走りも楽しくてカワイイ! ルノー・カングーが日本のアウトドア派に愛される理由とは

この記事をまとめると

  • 輸入車のなかでも特別な存在のルノー・カングー
  • 独特のおしゃれなスタイルと実用性でファンが多い
  • アウトドアシーンでも人気がある理由を解説する

おしゃれな両側スライドドア車という貴重な存在

 しかし、さすがフランスのルノーのクルマだけあって、デザイン、実用性は文句なし。言ってみれば、世界最高峰の超オシャレな実用車であり、輸入車としてはそう多くない両側スライドドア、アウトドアやペットの乗降にも適した左右、両側に開くダブルバックドア、ゆとりある居住空間、広大なラゲッジスペース、室内天井2カ所にある収納による道具感を備えている。

 フランス車ということもあって、日本では働くクルマ、実用車として以上に、ライフスタイルを演出する人とは違う個性豊かな1台として、また、アウトドアやキャンプなどに便利すぎるクルマとして人気を得たのは当然と言っていい。なにしろ、シトロエン・ベルランゴ、プジョー・リフターの兄弟車が登場するまでは、日本車にも、輸入車にもない、唯一無比の存在でもあったのだ。

2020年の「カングーキャンプ」の風景

 ジョンアグリウム(イエロー)、ブルーエトワール(ブルー)、マロンショコラ(ブラウン)といった、日本車にはなかなかないオシャレなボディカラーのラインアップも、カングーの個性をより一層、際立たせていたと思われる。また、フランス車をより生き生きと走らせるMTで乗れるところも、MTファンにはたまらないところだろう。両側スライドドアを備えた国産車とMTの組み合わせなど、今や知る限り見当たらない。

2代目カングーの前期型

長距離もラクな優れた乗り心地は一度は味わう価値あり

 そしてカングーは、走らせても日本車とは別物の世界観をドライバー、乗員に提供してくれる。1.2Lターボエンジンの動力性能(115ps/19.4kg-m)そのものは、1450kg(AT)の車重もあって大したことないのだが、かつて目を三角にしてカッ飛ばしていたことがバカバカしく思えるほどのおおらかでハッピーなドライブフィールがまた、たまらない。60km/hも出てしまえばこっちのもので、ATは早めのシフトアップを好みはするけれど、速度に乗った高速巡航は得意中の得意。直進性の良さはフランス車の伝統で、電動パワステはアシスト量が抑えられ、国産ミニバンのように軽すぎることはないため、本来の直進安定性の高さとともに、しっかりした直進感を味わわせてくれるから安心だ。

ヴァン・デン・アッカーがフロントマスクをデザインした2代目後期型

 しかも、座面に後傾角度が付いた、実用車として世界最高峰と言っていいシートのかけ心地の良さ、乗り心地が素晴らしすぎるのだ。足まわりはストローク感たっぷりの、ふんわりソフトな柔らかさとしなやかさが基本。荒れた路面、段差、キャッツアイを乗り越えた際のショックのいなし方も絶妙で、しっとりしたタメある体に優しいタッチ、そのゆったり感、快適感はもう感動モノなのである。

 だから高速道路を延々と運転するようなシーンでも意外なほど疲れにくい。それでいて、カーブや高速レーンチェンジで足まわりは粘りに粘る。ワイドなトレッド、ロングホイールベースも手伝って、4輪のタイヤは路面に「ペタリ」と張りつくように安定した姿勢を保ち続ける。こんな背高なボディにして、カーブ、コーナーが楽しい! と思えるほどである。

もっちりと疲れにくいシート

 そしてさすがと思わせるのがフランス車らしい、回してナンボのエンジン。高回転まで回してもノイジーじゃないからガンガン踏めるし、飛ばしても燃費が極端に悪化したりしないところも実用車としてのツボを押さえている。つまり、家族や愛犬を乗せてドライブするときはスローライフ感を味わえる快適感に酔える一方、走り好きな人をも満足させられる類まれなる走行性能の持ち主というわけだ。

 もちろん、フランスの道幅の狭い道をスイスイ走り、どこにでも止めてしまえるカングーは、全長4280×全幅1830×全高1810mmの3ナンバーサイズながら小回りが利くところも、日本の路上で車幅から想像するよりずっと走りやすいと感じさせてくれる一因だろう。

室内の天井2か所に収納スペース

ルノー・カングーは、日本における輸入車の中で、特別な存在。元々はルノー・エクスプレスという商用車が先祖で、ある意味プロユースのクルマなのである。日本でアウトドア派からも熱い支持を集めている理由を、キャンプ好きのモータージャーナリストが解説する。