自衛手段2:大雨を想定してキャンプ場所を選ぶ
この季節は「ゲリラ豪雨ありき」でキャンプ地やサイトを選ぶことも重要です。キャンプ地を探す場合、急峻な渓流やダムに近い河川下流部は避けましょう。急峻な渓流ではその場所に雨が降っていなくても、上流部でゲリラ豪雨が発生すると急激に水位が上がることもあるからです。最悪の場合に土石流などの危険もあるので注意してください。また、川の水が急に濁って来たり、葉っぱや枝などが流れてきたら増水の危険を知らせる前兆です。速やかに撤退することをおすすめします。
この時期はサイト選びも慎重に行いましょう。サイトの地面を観察し、泥や粘土質の場所を避け、水はけの良い芝生や砂利の場所を選ぶことが得策です。また、川から離れた高台を選ぶことはもちろんですが、山間であっても「谷」に沿った場所も避けましょう。その理由は急激な雨が降ると、谷沿いに雨が集まることで大きな被害が予想できるからです。雨のキャンプ中に山側から土の匂いやカビ臭ささを感じたり、パキパキと山から枝が折れる音が聞こえたら、速やかにその場所から避難して下さい。この匂いと音は土砂崩れの前触れなのです。
自衛手段3:テントやタープの張り方にもひと工夫
ゲリラ豪雨を想定したキャンプの場合、キャンプ道具の選び方や使い方にもひと工夫が必要です。まず、タープやテントは防水性能に優れたものを使用し、タープは雨の中での移動を想定してテントとタープの境目をなくした「小川張り」がおすすめ。タープは雨が溜まって崩壊しないよう、ポールを調整して角度を付けることで排水性を上げましょう。とくにスクエア型のタープは、平たく張ってしまうと雨が溜まりやすくなるので注意して下さい。ガイロープはタープの強度を出すためにすべてのロープをしっかりと張り、ペグは強度があり長目のものを使うことが雨キャンプのお約束です。
そして、ゲリラ豪雨ではテント内が水没する可能性もあり、荷物を地面に置かないこと。ラックなどを利用して高い場所に荷物を設置するようにしましょう。同様にマットを地面に置いて寝るのではなく、地面から離れた位置で就寝できるコットを利用するのも賢い方法です。
危険を感じたら「撤収する勇気」も必要
今回はゲリラ豪雨に備えた3つの基本的な自衛策をご紹介しましたが、ほかにもレインウェアの見直しやテント内の快適性を向上させるサーキュレーターの利用など、キャンプ上級者たちは経験に基づいた工夫を凝らしています。経験を積み、自分ならではの対処法を生み出すのもキャンプの楽しさではありますが、雨のキャンプでは無理は禁物です。これからの季節、ゲリラ豪雨の発生は当たり前と思って計画・行動し、危険を感じたときは「撤収する勇気」を持って行動しましょう。