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日産「GT-Rニスモ」の乗り心地は見た目と同じくハード? 東京〜京都往復で実際に試してみました

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TEXT: 西川 淳(NISHIKAWA Jun)  PHOTO: タナカヒデヒロ

15年前。初めてアウトバーンで味わった感動

 あれは2007年のことだから、もう15年も前の話だ。私は雨のぱらつき始めたアウトバーンをとある新型車でかっ飛んでいた。隣には同業のナベさん。いつものように仏のような笑顔で座っている。

「ちょっと踏んでみてもええか」。遠くの遠くまで見通せるストレートに出ると私は一応そう断って、追い越し車線に移るとためらうことなくアクセルペダルを踏み込んだ。

最新にて最強、そして最後かもしれない

 国産車はおろかスーパーカーでも経験したことのない次元の加速に、臓物が締め付けられるような気分を味わった。ポルシェ・ターボを初めて経験した時よりも衝撃的。それでいてまるで恐怖感がない。だから怖くて右足を緩めるということもない。あっという間に250km/hを超え大台が迫ってきた時に、隣から悲鳴にも似た懇願が聞こえてきた。「もうその辺でやめといてください!」。滅多にないことだが、仏の笑顔が鬼の形相になっていた。

 雨が降っていたのを忘れていたのだった。そう言えばワイパーもまともに動いていなかった(後からそのことをエンジニアに自慢げに話すと、危ない! と叱られた)。加速中は無心に前を見つめ続け、何も聞こえてはおらず、ほとんど忘我の境地だったのだろう。瞑想加速。その刹那、「買おう」と決めたのだった。

 2007年12月。発売と同時に納車された私の日産GT-Rは真っ赤な個体だった。あれからちょうど15年が経って、R35 GT-Rはいよいよその最終章を迎えようとしている。その間、国産ナンバー1のスポーツモデルであり続けたのみならず、世界の第一級レベルで戦い続けてきた。

 そんなRの歴史にほとんど尊敬の念を抱きながら、最新にて最強、そして最後かもしれないGT-RニスモMY22に乗り込み、京都を目指す。

 グランドツーリングカーの究極というべきTスペックはもちろん、スタンダードモデルと比べても、そのアシは何倍も硬く感じる。けれども不思議と乗り心地が悪い、とは思わない。

 もちろん、凄まじくソリッドだ。まるで分厚い鉄板できた床もろとも組み込まれたジャングルジムの中にバケットシートを置き、そこに括り付けられて走っているかのような気分なのだが、決して不愉快ではない。このところのニスモの美点である。

 発見もあった。京都に着いてから友人を後席に乗せて移動する必要に迫られた。狭いこともさることながら、流石に乗り心地はダメだからと恐縮することしきりで乗せてみたのだが、後ろの2人が口を揃えて、「意外に乗り心地がいい」というのだ。できれば座りたくはないけれど、じつは悪くない。シューティングブレークがあればなぁ、といつも思う。

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