クーペが売れないのにどうしてSUVはクーペ化する? 「売る側」と「買う側」の思惑とは (1/2ページ)

クーペが売れないのにどうしてSUVはクーペ化する? 「売る側」と「買う側」の思惑とは

この記事をまとめると

  • 人気のSUV&クロスオーバーモデルも多様性の時代が到来
  • 新型トヨタ・クラウンや新型ホンダZR-Vは都会派を強調
  • その理由はSUVに対する世界的なニーズの高まりにあり!

セダン&クーペ不振がクーペSUVを増殖させている

 そう聞くと、SUVやクロスオーバーモデルがセダンやクーペに歩み寄っているように思えるが、自動車メーカーの戦略的には、その逆と考えられる。つまり、セダンやクーペが不振だからこそ、セダンやクーペをクロスオーバー寄りのモデルとして成立させようとしているのではないか。そもそもクラウンがクロスオーバーモデル化されたのには、クロスオーバーモデルがクラウンのようなクルマを必要としたのではなく、クラウン側の生き残り戦略として、セダンやクーペ、ワゴンとともにSUVライクなクロスオーバーモデルを登場させたというのが正解だろう。

 とはいえ、SUVやクロスオーバーモデルとクーペの融合は、いまに始まったことではない。2013年に登場した初代ホンダ・ヴェゼルは、クーペの艶、ミニバンの合理性、SUVの価値を融合した、国産クロスオーバーSUVの先駆けとなった1台。武骨さのないクーペライクなエクステリアデザイン、運転席と助手席を分断するブリッジ状のセンターコンソールはスーパーカー的カッコ良さも併せ持ち、パーソナル感のある仕立てなどが魅力のインテリアによって、一躍大ヒットしたことは記憶に新しい。

 欧州ではBMW X6が2008年に登場し、英国をはじめ予想を上回るヒットとなった。BMWでは「Sports Activity Coupe(SAC)」と呼ぶクーペライクなSUVスタイルは、その後X4というラインアップの追加にとどまらず、アウディをはじめとするクーペライクなSUVが溢れる嚆矢になったのである。

新型クラウン・クロスオーバーの登場に度肝を抜かれた人も多いはずです。欧州の高級車メーカーではすでにラグジュアリーなSUVモデルを続々と投入するなど、SUV人気は止まることを知りません。セダンの販売が不調のなかでクロスオーバースタイルのSUVが堅調に販売を伸ばす理由を考察します。