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アウディからシビックまで! TCRで戦う世界最速のFF車レースマシンを知る

「TCRジャパンシリーズ」開幕

 TCRとはツーリングカーレースに定められた規格で、かつてのWTCC(世界ツーリングカー選手権)に使用されていた車両(TCN-1)より安価に設定されたTCN-2規定の車両。Cセグメントの市販車をベースにしたFF車で、現在はWTCCの他、世界各国のツーリングカーレースに採用されている。日本でも昨年からスーパー耐久のST-TCRクラスにも導入され、今年は国内でスプリントレースが開催。5月18〜19日、オープニングレースがオートポリスにて開催された。

 TCR車両として公認されている車両は15車種ほどあるが、今回の開幕戦では4車種の15台が参戦。今後は20台前後に落ち着きそうだ。タイヤは横浜ゴムのワンメイクでミッションは6速シーケンシャル。車両により排気量が異なるが、車重など性能調整(BoP)を行なっている。

 TCRジャパンシリーズは週末に2レースを行ない、今年は全5戦10レースを展開。セミ耐久や耐久レースと異なりスタンディングスタートが採用され、レース距離も50km前後のスプリントレースのため、30分ほどで勝負がつくシンプルなレース展開が魅力だ。

 公認を受けた車両は、参戦した4車種以外に、オペル・アストラ、プジョー308、ルノー・メガーヌ、セアト・レオン、ラーダ・ベスタ、スバルWRX、ヒュンダイ i30、キア・シードなどがあり、来年以降にはマツダ3が登場するという噂もある。

TCRジャパンシリーズには4車種参戦

 今回の開幕戦に参加したのは、アウディ RS3 LMS、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR、ホンダ・シビック タイプR TCR、国内デビューのアルファロメオ・ジュリエッタTCRの4車種。それぞれの特徴を簡単に説明しよう。

アウディ RS3 LMS

 昨年のS耐に登場し、富士24時間で優勝を飾った4ドアセダン。同じグループのフォルクスワーゲン・ゴルフとはプラットフォームが同じ。今年の性能調整の効果もあり、S耐では開幕から2連勝中と調子を上げている。

【スペック】
エンジン:1984cc 直4DOHC 16バルブ ターボ
最高出力: 340hp/6200rpm
最大トルク:460Nm/2500rpm
全長×全幅:4599×1950mm
ホイールベース:2665mm
最低車重(ドライバー含む):1315kg

 

アルファロメオ・ジュリエッタTCR

 昨年のWTCCで来日し、第1ヒートで優勝を飾るなどインパクトを与えたジュリエッタTCR。2リッターエンジンを積む他車両に比べ排気量が小さい(1742cc)ぶん車重が軽く、またホイールベースも短いという面白い存在だ。

【スペック】
エンジン:1742cc 直4 DOHC 16バルブ ターボ
最高出力:340hp/6800rpm
最大トルク:440Nm/3500rpm
全長×全幅:4641×1950mm
ホイールベース:2625mm
最低車重(ドライバー含む):1265kg

 

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI TCR

 S耐ではまだ優勝には手が届いていないが、上位入賞のポテンシャルは確実にある。アウディRS3とは姉妹車種となり、WTCCでは活躍をしているだけに、国内レースでも優勝争いに食い込んでくる可能性は大きい。

【スペック】
エンジン:1,984cc 直4 DOHC 16バルブ ターボ
最高出力:340bhp/6,200rpm
最大トルク:420Nm/2,500rpm
全長×全幅:4,555×1,945mm
ホイールベース:2,665mm
最低車重(ドライバー含む):1,295kg

 

ホンダ・シビック タイプR TCR

 シビックのTCR車両としては”FK2″に続き2代目となるFK8型。ロールケージのドライバーサイドにはカーボンで補強されるなど、安全面も考慮されている。昨年のS耐では全5勝を飾ったチャンピオンマシンでもある。

【スペック】
エンジン:1998cc 直4 DOHC 16バルブ ターボ
最高出力:340bhp/6200rpm
最大トルク:420Nm/3800rpm
全長×全幅:4549×1950mm
ホイールベース:2700mm
最低車重(ドライバー含む):1,335kg

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